野田昌宏『レモン月夜の宇宙船』
- 作者: 野田昌宏
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2008/11
- メディア: 文庫
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あらすじ
SF研究家、翻訳家、作家として活躍し愛された野田昌宏。その作家活動の第一歩となった作品を表題とした第一短編集を大幅増補、書籍初収録短編一編と初期の傑作エッセイの数々を加えて贈る。生涯の名台詞となる「SFってなァ、結局のところ絵だねェ」が誕生したエッセイ、生涯の愛称となった「宇宙軍大元帥」を初めて名乗った小説風記事も収録した。詩情に満ちた名品ぞろいである。
野田大元帥の独特の名調子が好き!!そして野田さん自身が主人公で虚実入り混じったホラ話ふうのSF小説ばかりで楽しい!!オールタイムベストの常連の表題作は調子が掴めなくてぴんと来なかったが、姉妹篇の「ラプラスの鬼」がイイ。他にはネットCATVの双方向性を予見した「五号回線始末記」がSFとしても素晴らしい。しかし「OH!」などの視聴率のためにUFO騒ぎを起こそうとするTV制作者話は、TV業界の傲慢さが垣間見えてイヤだな。特に日本テレワークが捏造事件を起こした以降の目で見ると。。。後半のエッセイ集「SFパノラマ館」も楽しい。特に古書収集のライバル・伊藤典夫に対する疑心暗鬼に大爆笑。「謎の美人姉妹」のアンチ「据え膳食わぬは男の恥」っぷりには驚いたが、これこそが古本者の真の姿か!?
- レモン月夜の宇宙船
- ラプラスの鬼
- ステファン・ラドクリフの薔薇
- 真っ赤な雨靴
- 東京未来計画
- OH!WHEN THE MARTIANS GO MARCHIN’IN
- 五号回線始末記
- 学術研究助成金
- 火星を見た尼僧
- SFパノラマ館
- 野田さん小百科
★★★★★