- 作者: 神林長平
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2012/03/09
- メディア: 文庫
- 購入: 6人 クリック: 116回
- この商品を含むブログ (46件) を見る
あらすじ
30年以上SFを書いてきたぼくは、第一線をはなれたような気分になっていた―ベテラン作家が、伊藤計劃『ハーモニー』と3・11後のフィクションの可能性を考察する表題作、深井零がパーソナルなコンピュータを追い求めた記憶を語る“戦闘妖精・雪風”シリーズのスピンオフ「ぼくの、マシン」、多世界解釈を巡る異色スペースオペラ「かくも無数の悲鳴」など、変遷し続けるコミュニケーションの様相を切り取った全6篇を収録。
表題作が社会の最先端に一石を投じて話題になっているので、それ目的で購入。コンピューターネットワークがパーソナルなものからソーシャルなものへ進化(？)し、それが人類の集合的無意識を顕在化するという人類がいまだ踏み入れたことのない階梯へ進んでしまった。そんな現代をこれから神林長平が作家としてどう突き進んでいくのかの決意表明だ。伊藤計劃が『ハーモニー』で提起した人類世界終焉への回答でもある、新たな人類進化の可能性を描く次回作を刮目して待つことにする。
★★★★★
