くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

コニー・ウィリス『ドゥームズデイ・ブック(下)』

あらすじ
21世紀のオックスフォードから14世紀へと時をさかのぼっていった女子学生キヴリン。だが、彼女が無事に目的地にたどりついたかどうか確認する前に、時間遡行を担当した技術者が正体不明のウイルスに感染し、人事不省の重体に陥ってしまった。彼女の非公式の指導教授ジェイムズ・ダンワージーは、キヴリンのために、新たな技術者を探そうと東奔西走するが!?英語圏SFの三大タイトルを独占したコニー・ウィリスの感動作。 (裏表紙より)

悲劇すぎて読むのがつらかった。作家は悲喜劇を書き分けてこそとのことで、ウィリスは姉妹篇『犬は勘定に入れません』を喜劇、本書を悲劇として書いたらしいけど。タイムトラベルした14世紀の黒死病うずまく暗黒時代の描写の絶望感を書ききったのは傑作としか言いようがない。でも時間SFのプロットとしてはそんなに目新しくないのにトリプルクラウンってのが不思議。ウィリスのストーリイテリングの為せる技か。
★★★★☆