神戸のフランス菓子店を舞台にしたパティシエ小説。もう、行間からバニラビーンズの甘い香りやショコラのほろ苦い香りが漂ってきて、甘党には最高の小説。ストーリイ自体も、作中ケーキ描写と同様に甘くてほろ苦い新人パティシエ主人公の成長物語なラストでよい。夜中に読んだおかげで耐え切れずに深夜にロールケーキ食べてしまったじゃないかよう…脂肪フラグだ。あとこれが本当に「魚舟・獣舟」と同じ上田早夕里の作品なのか信じられない。実は最後にまさかのSF展開があるんじゃないかと疑いながら読み進めたけど全く無かったです(てっきり記憶喪失の恭也は平行世界から飛び込んできたものかと思ってしまった)。
★★★★☆