- 作者: 森見登美彦
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/11/29
- メディア: 単行本
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「いいのです。本との出会いは一期一会。その場で買わねばなりません。もう私は掘り出し物が見つかりましたし」
締めくくりにあたって、一つ言葉を贈っておく。
人事を尽くして、天命をまて。
かくして先輩のそばへ歩み寄りながら、私は小さく呟いたのです。
こうして出逢ったのも、何かの御縁。
これまた良い!!素晴らしすぎ!!清々しい。
まず文体が心地よい。『太陽の塔』と変わってない、何て言うの?韜晦を重ねた饒舌体って言うの?
そして何より素晴らしいのが、黒髪の乙女ことヒロインが可愛すぎる!!長門有希が一番思っていた時期がありました。しかし最強ヒロイン現る!!一言で言ってしまえば天真爛漫な不思議少女。だが、その一言では収まりきらないキュートさ。知性と好奇心の塊である不思議少女、最高です!!いくら学園祭気分とはいえ、背中に緋鯉のぬいぐるみを背負って達磨のネックレスをかけて手には林檎飴でずんずん歩き回るヒロインは今までいなかっただろう。オヤジにお乳揉まれても動じない器のデカさもGOOD(?)
その他には、物語の端々や脇キャラに対する作者の発想力も凄い。「おともだちパンチ」「詭弁論部」「古本の神様」「韋駄天コタツ」「偏屈王」「パンツ総番長」「ナカメ作戦」と枚挙に暇が無い。
暴走してゆくストーリーと伏線が収束してゆく展開も素晴らしい。全ての登場人物が有機的に繋がっていく様が爽快。
あと第三章の学園祭シーンは文化祭小説史上最高と以前書いた米澤穂信『クドリャフカの順番「十文字」事件』に勝るとも劣らない仕上がり。