田中啓文『イルカは笑う』
- 作者: 田中啓文
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2015/09/08
- メディア: 文庫
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あらすじ
最後の地球人と地球の支配者イルカの邂逅「イルカは笑う」、倒産した日本国が遺した大いなる希望「ガラスの地球を救え!」、ゾンビ対料理人「屍者の定食」、失われた奇跡の歌声が響く「歌姫のくちびる」…感動・恐怖・笑い・脱力、ときに壮大、ときに身近な12の名短編。日本人よ、これが田中啓文だ!
『NOVA』初出の冒頭の二作は既読だけど、「ガラスの地球を救え!」がたまらなく好きなので買っちゃいました!SFランドに行くのに南海電車のロケットを使ったり、このランドを作るのに日本が倒産してたり、いちいち笑えるのに、ラストのハインラインも光瀬龍も手塚治虫もみんなの魂が協力して…って展開が胸熱すぎて泣いてしまいますよ。表題作も小松崎茂の「イルカがせめてきたぞっ」のイラストを彷彿とさせ面白い。話題のパロディ題の「屍者の定食」もヒドイ話で爆笑。「本能寺の大変」のラストのオチの、オール阪神巨人ネタは、初読時には読み落としていたわ。ってか関西人しか分からんやろ!!「みんな俺であれ」「悟りの化け物」などのシリアスなSFも高水準だし。『アルジャーノンに花束を』を落語にした小話「まごころを君に」も笑えるし。このオチの一言がサイコーwこのくだらないダジャレが癖になるわ!!笑いももちろん、熱い展開の感動も、ホラーの怖さも、SFとしても、大満足の作品集です!!
- ガラスの地球を救え!
- 本能寺の大変
- イルカは笑う
- 屍者の定食
- 血の汗流せ
- みんな俺であれ
- 集団自殺と百二十億頭のイノシシ
- あの言葉
- 悟りの化け物
- まごころを君に
- 歌姫のくちびる
- あるいはマンボウでいっぱいの海
★★★★★