くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

泡坂妻夫『生者と死者』

生者と死者―酩探偵ヨギガンジーの透視術 (新潮文庫)

生者と死者―酩探偵ヨギガンジーの透視術 (新潮文庫)

あらすじ
はじめに袋とじのまま、短編小説の「消える短編小説」をお読みください。そのあと各ページを切り開くと、驚くべきことが起こります―。そして謎の超能力者と怪しい奇術師、次次にトリックを見破るヨギガンジーが入り乱れる長編ミステリー「生者と死者」が姿を現すのです。史上初、前代未聞驚愕の仕掛け本。

文庫の部分部分が袋とじになっていて、開かずに読むと「消える短編小説」、切り開いて読むと「長編ミステリ」、となるという仕掛け本。製本の都合上、16頁ごとに袋とじされるので、それに合わせて頁またがりのつながりを調整して一つのお話に纏め上げた苦労は本当に偲ばれる。また、短篇が長篇に組み込まれたら、同じ文章のはずなのに、全く違う意味を成していたりキャラクタの立場が反転していたり。この幻惑される快感たるや!!泡坂先生の苦労の末に生まれた、世界でタブン一つの奇跡的な文庫本だ!!
★★★★★