くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

泡坂妻夫『しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術』

しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術 (新潮文庫)

しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術 (新潮文庫)

あらすじ
二代目教祖の継承問題で揺れる巨大な宗教団体“惟霊講会”。超能力を見込まれて信者の失踪事件を追うヨギガンジーは、布教のための小冊子「しあわせの書」に出会った。41字詰15行組みの何の変哲もない文庫サイズのその本には、実はある者の怪しげな企みが隠されていたのだ―。マジシャンでもある著者が、この文庫本で試みた驚くべき企てを、どうか未読の方には明かさないでください。

文庫ならではの仕掛け本。労多くして、実りは普通の小説と一緒なのに、よく一つの作品としてまとめたなあ。泡坂先生の苦労が偲ばれます。このこだわりが素敵。ストーリイも、新興宗教を舞台としたミステリとして、ときにコミカルときにシリアスで楽しかった。
こんな楽しい本、もったいなくて食べれない!!!
★★★★☆