- 作者: 高田郁
- 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
- 発売日: 2010/03/01
- メディア: 文庫
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あらすじ
土用の入りが近づき、澪は暑気払いに出す料理の献立に頭を悩ませていた。そんなある日、戯作者・清右衛門が版元の坂村堂を連れ立って「つる家」を訪れる。澪の料理に感心した食道楽の坂村堂は、自らが雇い入れている上方料理人に是非この味を覚えさせたいと請う。翌日、さっそく現れた坂村堂の料理人はなんと、行方知れずとなっている、天満一兆庵の若旦那・佐兵衛と共に働いていた富三だったのだ。澪と芳は佐兵衛の行方を富三に聞くが、彼の口から語られたのは耳を疑うような話だった―。書き下ろしで贈る、大好評「みをつくし料理帖」シリーズ、待望の第三弾。
やっぱり夏の風物詩といえば鱧やねえ。関東人があの味覚を知らないとは勿体無い。流石に納涼床で食べたことはないけど、湯引きにしても天ぷらにしてもあんなに旨いもんはないわ。さて感想。鱧の料理人として吉原へ出向いた澪に機会が到来し、ついに野江と邂逅を果たしたシーンではジーンと来た!そして、つる屋最大の困難である風評被害は、元登竜楼の板前・末松の悪意の恐ろしさに慄いた反面、小松原をはじめとする周囲の人間の人情の厚さに読んでいて救われた。また澪の小松原への恋心も気になるところ。小松原の正体も薄っすら判明しつつも、澪はつくづく報われないっぽいなあ。。。
- 豊年星―「う」尽くし
- 想い雲―ふっくら鱧の葛叩き
- 花一輪―ふわり菊花雪
- 初雁―こんがり焼き柿
★★★★☆