高田郁『花散らしの雨―みをつくし料理帖』

- 作者: 高田郁
- 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
- 発売日: 2009/10/15
- メディア: 文庫
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あらすじ
元飯田町に新しく暖簾を掲げた「つる家」では、ふきという少女を下足番として雇い入れた。早くにふた親を亡くしたふきを、自らの境遇と重ね合わせ信頼を寄せていく澪。だが、丁度同じ頃、神田須田町の登龍楼で、澪の創作したはずの料理と全く同じものが「つる家」よりも先に供されているという。はじめは偶然とやり過ごすも、さらに考案した料理も先を越されてしまう。度重なる偶然に不安を感じた澪はある日、ふきの不審な行動を目撃してしまい―――。書き下ろしで贈る、大好評「みをつくし料理帖」シリーズ、待望の第二弾!
2巻も面白い!!1巻の困難続きから、2巻も試練はあるんだけれど、ささやかな幸せを形作ってゆく健気な澪たちに勇気をもらえる。姿の見せることの出来ない野江との「涙は来ん、来ん」のシーンでは試練の大きさに涙しかけた。また新たな奉公少女ふきの生い立ちにも涙。隣人おりょうさんと太一の病という困難も、それを克服する親子愛に涙。澪の料理に対するひた向きさが澪たちを強くしているように思われる。また「粋」にこだわる江戸っ子の姿を種市をはじめとして鮮やかに描いているのも素晴らしい。料理や花火にも粋なこだわりを見せる江戸の町は、TVインターネットの現代よりもエンターテインメントな街かもしれない。
- 俎橋から―ほろにが蕗ご飯
- 花散らしの雨―こぼれ梅
- 一粒符―なめらか葛饅頭
- 銀菊―忍び瓜
★★★★☆