伊藤計劃『The Indifference Engine』
The Indifference Engine (ハヤカワ文庫JA)
- 作者: 伊藤計劃,岡和田晃
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2012/03/09
- メディア: 文庫
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あらすじ
ぼくは、ぼく自身の戦争をどう終わらせたらいいのだろう・・・・・・
戦争が残した傷跡から回復できないアフリカの少年兵の姿を生々しく描き出した表題作をはじめ、
盟友である芥川賞作家・円城塔が書き継ぐことを公表した『屍者の帝国』の冒頭部分、
影響を受けた小島秀夫監督にオマージュを捧げた2短篇、
そして漫画や、円城塔と合作した「解説」にいたるまで、
ゼロ年代最高の作家が短い活動期間に遺したフィクションを集成。
初読だった「From the Nothing,With Love.」が白眉。表題作や「Heavenscape」「フォックスの葬送」等の戦争SFは作者の代表だが、「From〜」はより素晴らしい。007オマージュの大英帝国の空気感と意識の本質を問うテーマの両輪が噛み合って傑作。それだけに時代を移して同じ大英帝国を描いた『屍者の帝国』が絶筆となったことが悔やまれる。続きが円城塔の手によって書き継がれるようだが、「ディファレンスエンジン・解説」を見る限り競作はかなり円城寄りになりそうな予感がするんだけど。不安だ。
- 女王陛下の所有物
- The Indifference Engine
- Heavenscape
- フォックスの葬送
- セカイ、蛮族、ぼく。
- A.T.D:Automatic Death EPISODE:0 NO DISTANCE,BUT INTERFACE
- From the Nothing,With Love.
- 屍者の帝国
★★★★☆