くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

大森望責任編集『NOVA+ 屍者たちの帝国』

あらすじ
夭折の作家・伊藤計劃の未完の絶筆が盟友・円城塔に書き継がれ、完成した『屍者の帝国』。19世紀末、ヴィクター・フランケンシュタインが遺した屍者復活の技術が世界中に拡散し、屍者たちは労働力・軍事力として利用されていた――この世界観のもと、8人の作家(北原尚彦、坂永雄一、高野史緒津原泰水仁木稔藤井太洋宮部みゆき山田正紀)が集い、新作短編を競作。伊藤計劃×円城塔屍者の帝国』劇場アニメ公開記念、完全新作・オール読切の豪華アンソロジー円城塔インタビューを特別収録。計劃―Project―は止まらない。

屍者の帝国シェアードワールド。屍者帝は、円城版も劇場版も未見、伊藤絶筆版だけ既読の状態だけど、NOVA読者として読んでみた。面白かった!どの作家も、同時代の史実や創作物のネタをこれでもかと混ぜ込んで、真面目に悪ノリなところが楽しい。本家の伊藤氏からして、シリアスなシーンに「もってけ!セーラーふく」「ときメモ」「藤原とうふ店」などネタを混入させたりお茶目な人だったので、見事なトリビュートといえる。どれも素晴らしいが、高野史緒と北原尚彦と津原泰水の暴走っぷりは思わず笑ってしまう、甲乙つけがたいマイベスト。

南北戦争の屍兵遣い、幕末日本へ

『白痴』リローデッド

  • 仁木稔「神の御名は黙して唱えよ」

屍者とイスラム神秘主義

  • 北原尚彦「屍者狩り大佐」

ジョン・ワトソン未公開事件

森鷗外、屍者と出会う

夏目漱石、倫敦の夜

  • 坂永雄一「ジャングルの物語、その他の物語」

終戦争の屍者たちの黄昏

終戦直後、思い出の屍者
★★★★★