- 作者: 山本弘
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2006/11/23
- メディア: 文庫
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これはまさにイーガン級の大作。
大ネタは『宇宙消失』を思わせる壮大さと現実倒錯感。『マトリックス』っぽいと言えばそれまでだけど「パイオニア減速問題」「ウェッブの網目問題」などのディティールによって圧倒的説得力を持たせているのが秀逸。
またUFO・幽霊・超能力などの超常現象の情報量も凄い。イーガン作品の科学やテクノロジーに対する情報に匹敵する(話の本編に直接関与しないほどの分量になっているところも含めて)。
他に社会に対する問題提起という点でも共通する。イーガン作品なら無知カルトや東ティモール問題など、本作なら朝鮮問題やメディアや日本の政治経済問題など。それにしても山本弘という人は、オカルトに対しても朝鮮問題などに対しても中立の視点から見ているという点が凄い。自分なんてすぐに何かに影響されて偏った考えしかできないよ。。。
とにかく、素晴らしい本に出会えて良かった!!山本弘というSF作家に出会えて良かった!!