くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

米澤穂信『栞と嘘の季節』

ベストセラー『本と鍵の季節』(図書委員シリーズ)待望の続編!!
直木賞受賞第一作

猛毒の栞をめぐる、幾重もの噓。

高校で図書委員を務める堀川次郎と松倉詩門。
ある放課後、図書室の返却本の中に押し花の栞が挟まっているのに気づく。
小さくかわいらしいその花は――猛毒のトリカブトだった。
持ち主を捜す中で、ふたりは校舎裏でトリカブトが栽培されているのを発見する。
そして、ついに男性教師が中毒で救急搬送されてしまった。
誰が教師を殺そうとしたのか。次は誰が狙われるのか……。
「その栞は自分のものだ」と噓をついて近づいてきた同学年の女子・瀬野とともに、ふたりは真相を追う。
直木賞受賞第一作は、著者の原点とも言える青春ミステリ長編!

『本と鍵の季節』の続編。今回は連作短編ではなく長編。
図書室で、トリカブトラミネートされた栞を発見する。そして校内で起こる毒殺未遂。やがて校内は猜疑の嵐で吹き荒れる。
本当に面白かった。家庭や高校という学生の狭い領域での閉塞感。それを乗り越えるための「お守り」。その気持ちは分かる。堀川と松倉という独特の関係性のコンビの会話も小気味いい。この空気感はこの図書委員シリーズでしかない!好きなシリーズ!