くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

トム・パーマー『フットボール・アカデミー』全6巻

フットボール・アカデミー (1) ユナイテッド入団! MFジェイクの挑戦

フットボール・アカデミー (1) ユナイテッド入団! MFジェイクの挑戦

フットボール・アカデミー (5) 最後のゴール DFジェームズの選択

フットボール・アカデミー (5) 最後のゴール DFジェームズの選択

フットボール・アカデミー (6) 最高のキャプテン DFライアンの決意

フットボール・アカデミー (6) 最高のキャプテン DFライアンの決意

  • 第1巻「ユナイテッド入団!MFジェイクの挑戦」

新中学生のジェイクが、マンチェスター・ユナイテッドの下部組織に入団する話。新しい環境への不安やイジメなど、サッカーで克服していく姿は清々しい。しかしいくら元々はマンチェスター・シティのファンだったからって、ユナイテッドの練習にシティのシャツはダメだ。それはイジメされる。あのベッカムでさえ酷いイジメを受けたらしいね。あとジェイクの左ウイングとして縦へ突破していくスタイルは好感。

  • 第2巻「ストライカーはおれだ!FWユニスの希望」

今回はアジア系のルーツを持つエースFW、ユニスの話。勉強が第一でサッカーに嫌悪感を持っている父親との対立。そこには父親が若い頃は、スタジアムが白人中心だったことも関係していて。英国の人種問題は根深いね。そしてユニスのイライラは友人にも向く。絶対的エースFWなのに、上手く回らない姿はもどかしい。しかし良いコーチや環境のおかげで好転していく。このコーチが良い指導者すぎて!これは他の子たちもグングン伸びそうだ!

  • 第3巻「PKはまかせろ!GKトマーシュの勇気」

今回は、ポーランド移民のキーパー・トマーシュの話。そしてユナイテッドはポーランド遠征。レギア・ワルシャワACミランレアル・マドリードとの対戦。強豪との対戦は熱い。しかしキャプテン・ライアンによるポーランド蔑視発言。そして黒人チームメイトが地元のワルに暴行される事件。人種差別という根深い問題がテーマ。欧州は特に問題が顕在化してるしね。しかしコーチの正しい導きによってチームは良い方向に。このコーチは本当に少年たちを成長させる良いコーチだ。

  • 第4巻「孤独な司令塔 MFベンの苦悩」

今回は天才ゲームメイカーのベンの話。サッカーでは天才的な先読みを発揮して司令塔として将来を嘱望される存在。しかしサッカー以外で秘密が。字が全く読めない、つまり識字障害を隠して生活している。ここまで現代的なテーマに切り込んでいくのか。今で言うLDというやつよね。ただのサッカーの児童書と思って、あなどってた。しかしベンにもコーチの提案によって光が!このコーチ、本当に指導者として尊敬しかない!素晴らしい!

  • 第5巻「最後のゴール DFジェームズの選択」

今回は守備の要のセンターバック、ジェームズの話。ジェームズは、父親が元イングランド代表のレジェンド。そんな父親や周囲の期待が重荷となるジェームズ。サッカーは嫌いでないが、他にやりたいことがあり、サッカーを辞めることを決意。しかし無垢な期待をかける父親に言い出せない。この2世の問題もサッカーにあるよね。紆余曲折するが、最後にはここでもコーチの導きが。さすがコーチ。ジェームズは理解のある両親に恵まれて良かった。新たな道でも成功してほしい!

  • 第6巻「最高のキャプテン DFライアンの決意」

最終巻。展開力のある現代的なセンターバックにして、キャプテンのライアン。しかし母親が毒親。家でも気分屋で、試合中といえば暴言ばかり。しかしライアンは、一時は荒れてたが、今は立派にキャプテンシーを発揮。チーム内の難題にも前向きに取り組んでいく。成長したな〜!全てが好転しすぎといえばそうだけど、前向きな子供たちが全力で前に進む姿は清々しい!いい物語でした!