くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

さかき漣『エクサスケールの少女』

エクサスケールの少女 (文芸書)

エクサスケールの少女 (文芸書)

30年後にやってくる人工知能が人間を超える“シンギュラリティ"(技術的特異点)。その前段階としてこの10年以内に起こるのが「エクサスケールの衝撃」だ。スパコンの計算処理能力によって、医療・物理・宇宙工学などに革命を起こし、人間生活を大きく変えることとなる――。深い孤独を抱えるスパコン研究者・青磁の前に現れた万葉集を愛する謎の美女・千歳。二人は古からの運命に導かれ、京都から東京、そして神話の里・出雲へ。“シンギュラリティ"(技術的特異点)を迎えたとき、人類の向かう先はユートピアか?それとも……。善と悪。過去と未来。生と死。人間とAI……。太古から続く運命の糸が織りなす「利己」から「利他」への壮大な物語が、今はじまる――。

読書メーターの献本でいただいた本。読むのに結構かかってしまった。
不老の病の妹を救うためにスパコンの研究者となり、シンギュラリティへの道を加速させる。スパコン研究の今を薀蓄のように投入し勉強になった。そしてスパコンに、不老不死や万葉集古事記日本書紀などを融合して伝奇小説の風味にしているのも面白い。しかし肝心のSF的大ネタであるシンギュラリティが……何コレ?俺TUEEEなアイアンマンになって人類ハッピーがシンギュラリティですって、お粗末すぎじゃないか?AIが加速度的進化して人類の想像できない所まで行き着くのがシンギュラリティでしょ。円城塔とかストロスみたいな。想像できないことを想像する、くらいの奇想を見せてくれないとSFとは言えないわ。(文芸書)とあるように、一般文芸としては面白かったけど。
★★☆☆☆