
- 作者: トム・ゴドウィン・他,伊藤 典夫
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/11/10
- メディア: 文庫
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あらすじ
ただ一人の乗員を目的地に届ける片道分の燃料しか積んでいない緊急発進艇に密航者がいたら、パイロットのすべきことはただひとつ――船外遺棄だ!だがそれが美しい娘で、しかもたった一人の兄会いたさに密航したのだとしたら、あなたならどうする?……SF史上に燦然と輝く記念碑的名作「冷たい方程式」をはじめ、名作、傑作の誉れ高い作品全9篇を厳選。旧版からの2篇に新たに7中短篇を加えたSF入門書の新版登場!
これはひどい。オビに「初心者に最適なSF入門書」を謳っているにもかかわらず、各短篇の扉に「邦訳初出」「執筆年」「著者来歴」など書誌情報がひとつも書かれていないとは。初心者入門を謳うなら、せめて同じ作者さんの代表作を紹介するくらいの手間は惜しむべきではないだろう。さてしかし内容はまずまずの佳作ぞろい。一番有名な表題作は、この終わり方に納得いかないけど。SF作家なら、アイデアで助かる意外な方法を思いついて欲しいかった。けどこの終わり方だからこそ、後続の「方程式もの」が生まれたんだろうという歴史的意義は大きい。あとは、シェクリイ「徘徊許可証」の牧歌的なコミカル、ストラザー「みにくい妹」の裏返しのシンデレラ、コットレル「危険!幼児逃亡中」のサイキッカー暴走テーマの源流、シマック「ハウ=2」の懐かしいロボット未来感、あたりに感嘆した!!しかしながら超能力もの多すぎじゃね?
- ロバート・シェクリイ「徘徊許可証」
- ジョン・クリストファー「ランデブー」
- ウォルター・S・テヴィス「ふるさと遠く」
- アイザック・アシモフ「信念」
- トム・ゴドウィン「冷たい方程式」
- ジャン・ストラザー「みにくい妹」
- アルフレッド・ベスター「オッディとイド」
- C・L・コットレル「危険!幼児逃亡中」
- クリフォード・D・シマック「ハウ=2」
★★☆☆☆