くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

久米康之『猫の尻尾も借りてきて』

あらすじ
1995年7月20日は、村崎史郎にとってまさに最悪の日となった。史郎が勤める東林工学の中央研究所で早朝、泥棒騒ぎがありゴタゴタした。史郎が開発した新製品の説明会に遅刻して叱責された。想いを寄せている同じ研究室の矢野祥子に昔からの恋人がいると、コンピューターのニカタから知らされた。でも、これらは取るに足らないことだ。その日の午後、その祥子が死体で発見されたことに比べれば。祥子は22歳の誕生日に殺されたのだった。
祥子を失った史郎はなかなか立ち直れなかった。祥子の面影が忘れられない史郎は、研究室長の林と酒を飲んでいる時、思わずつぶやいた。《タイムマシンがほしい》もちろん、かなわぬ願い事として。だが林は――!
暖かく、そしてリリカルにタイムパラドックスに挑戦する新鋭の傑作SF。

全人生の1000冊目の読書ということで、思い出の傑作を。やっぱりすごい!時間を行き来して最後には一つに繋がる決定論型のタイムトラベルSF。本当に細かな所まで辻褄を合わせる心配りがなされていて感動。終盤の、この本のタイトルの秘密にもつながる名台詞は本当にリリカルで素敵。最高傑作の時間SF!
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