くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

エラリー・クイーン『Yの悲劇』

Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)

Yの悲劇 (創元推理文庫 104-2)

あらすじ
行方不明をつたえられた富豪のヨーク・ハッターの死体がニューヨークの湾口に揚がった。死因は溺死ではなく毒物死だった。発端の事件につづいて、そろいもそろって常軌を逸した病毒遺伝の一族のあいだに、目をおおうような惨劇がくり返される。名探偵レーンの推理によれば、犯人はある人物にまちがいなかった。しかし、その人物が現実の問題として犯人であることは不可能なのだ。このおそるべき矛盾は、いったいなにを意味するのか?エラリー・クイーンが、ロス名義で発表した四部作中の最大傑作で、その周到な伏線と明晰な解明の理論は、読者のすべてを魅了する。

亮人::ワイにとっては初クイーンやな!
使い魔・ゲンキ君::先日のブックオフでたまたま見つけたから買ったガル!
亮人::翻訳ミステリ大賞さんのブログの「初心者のためのエラリー・クイーン入門」の記事(⇒http://honyakumystery.jp/1377210623)をワイが見て、これは読まねばと思ったワケよ。
ゲンキ君::フォロワーさんにもクイーンを偏愛してる方がいて、読みたかったんだガルな。
亮人::どうでもいいけど、ワイはエラリー・クイーンって女性作家だと思ってたわ。
ゲンキ君::それはただミルキーホームズ(エラリー姫百合)と名探偵コナン(妃英理)からの思い違いなだけガル!
亮人::まさか男性二人組のペンネームだっただなんて!?
ゲンキ君::驚きは分かったから、小説の内容へ行くガル。
亮人::富豪ヨーク・ハッターの自殺から始まって、盲目聾唖の娘の毒殺未遂、そして富豪一家ハッター家の女帝の撲殺。
ゲンキ君::行き当たりばったりなようで計画的だったり、つかみどころの無い事件だったガル。
亮人::しかしそこはフェアな本格ミステリを志向するクイーン。小さな伏線もきっちりハマって最後には一つの理論的解決に至るのが気持ちいい!
ゲンキ君::まさか撲殺に使われたマンドリンにも、ちゃんとシッカリした理由があったなんて驚きガル!
亮人::荒唐無稽とも思われる犯人の行動にもシッカリ推理の理屈が通っていてスゴイ。そしてまさかの犯人。
ゲンキ君::犯人については、現代日本の「少年法」の議論にも通じるレーン氏の最後の苦悩と行動には驚いたガルね。
亮人::司法の能力の限界に気づいているレーン氏は、ワイも共感やな。
ゲンキ君::あとハッター家の呪われた血っていうのも驚きだったガル。
亮人::カルテに「ワッセルマン反応」とあるから「梅毒」のことだと思うんだけど、一族に遺伝で汚染が広がる病気だったんだ?
ゲンキ君::時代性もあるけど、メチャクチャ怖い書き方だったガルな。
亮人::イヤな話だったけど、ミステリの傑作だった!
ゲンキ君::これはクイーンのほかの小説も集めないとガル!
亮人::ワイは、『災厄の町』は旧版のハヤカワ文庫で持ってるから他の本もハヤカワ文庫で集めようかと思ってたけど、《国名》シリーズは創元文庫でもいいかもなー。早く集めて読みたいゾ!
ゲンキ君::ところで今日はなぜ御主人の一人称が「ワイ」なんだガル?
亮人::ちょっとワイって言うことによって刺激的な人格を演出しようかと思って!これがホントの「ワイのシゲキ」!
ゲンキ君::おあとがよろしいようで!ガルガル!
★★★★★