くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

乾緑郎『機巧のイヴ』

機巧のイヴ

機巧のイヴ

あらすじ
あの婀娜な身体が、秘術を尽した機巧だとでも!?ドンデン連発の格ミステリー!十三層の巨大楼閣に君臨するという噂の遊女・伊武。千年の秘術を求めて彼女を追う幕府配下の機巧師・釘宮久蔵。遷宮と幕府転覆計画の帰趨を見定めつつ、目も綾な衣裳の下匂い立つ肌の奥で回転を続ける、精緻な歯車の心臓部へと探索は進んでゆく――。連載当初から話題をさらった、エロスの薫る長篇時代ミステリー小説!

このミス大賞出身だから読まず嫌いしてましたが、間違いでしたw。江戸時代風スチームパンク(厳密にいうとクロックパンク)で和語(漢字)を多用した文体を使うことにより巧く世界観を構築しており非常に見事。またミステリ的な仕掛けも丁寧に融合させており、非常に楽しめる。機巧人形(オートマタ=ロボット)には魂(感情)は宿るのかというSF的なテーマも深く追求されており素晴らしい。幕府(公方様)と天帝(天子様)という大きな物語と、機巧人形の恋心という小さな物語、どちらも読み応えがあって非常に楽しめました!

★★★★★