くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

ジョー・ウォルトン『図書室の魔法(下)』

あらすじ
本を心の底から愛したならば、本もあなたを愛してくれる―疎外感に苛まれながら、大好きな小説や秘密の魔法を心の支えとするモリ。やがて彼女は町の読書クラブに誘われ、初めて共通の話題をもつ仲間と出会う。だが母親の執拗な悪意は彼女を苦しめつづけ…。ひとりぼっちだった繊細な少女の青春を描き、本を愛し本に救われた経験をもつ多くの読者の共感を呼んだ、感動の物語。

孤独な少女モリがSF小説を通して仲間とつながってゆく。その姿に、全読書人が共感と感動で必ず心動かされるに違いない!妖精や魔法という想像か現実か分からない存在を日記にしたためてみたり、事態が好転した瞬間も自分の言動の悪影響かもしれないと卑屈になってみたり、中々一筋縄ではいかない性格も共感。瑞々しい日記という少女の内面の表現方法がまた素晴らしい。複雑にして清新で、女性ならでは。同時代のSF小説評も楽しい。「本を心の底から愛したならば、本もあなたを愛してくれる」この一文がすべてを表している!ヒューゴー賞ネビュラ賞もうなずける、自分も今年のベストに選びたくなる大好きな作品!
追記:巻末のリストを前に当ブログでテキスト化したので貼っておく⇒http://d.hatena.ne.jp/akito0526/20140609/p1
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