くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

日本SF作家クラブ編『日本SF短篇50(5)』

あらすじ
日本SF作家クラブ創立50周年記念アンソロジー第5巻。吉川英治文学新人賞受賞作『天地明察』の原型となった冲方丁「日本改暦事情」、日本SF大賞受賞作『華竜の宮』と同じ世界を描く上田早夕里の傑作「魚舟(うおぶね)・獣舟(けものぶね)」、伊藤計劃虐殺器官』のスピンオフ「The Indifference Engine」、瀬名秀明が物語を読むことの本質を問う「きみに読む物語」など、2003年から2012年に発表された10篇を収録。ゼロ年代から現在に至る日本SFの豊饒を届ける。

『日本SF短篇50』最終巻。現代に近づき、現在の日本SFの豊穣さを如実に表すラインナップに感嘆。白眉は林譲治。やっぱりハードな宇宙SFの未知と接触するじりじり感が好きなんだと改めて思わされた。冲方丁も、狭義のSFではないが、星を見る姿勢にSFを感じた。長篇も読みたい。ラストも(個人的に瀬名作品は苦手だが)これしかないというテーマ性で、見事に締めくくってくれた。日本SF作家クラブの50周年記念事業だったが、日本SFのベスト集大成であり、1作家1作品という縛りのパズル的要素の編纂も、見事な好企画でした!!

★★★★☆