似鳥鶏『まもなく電車が出現します』

まもなく電車が出現します (創元推理文庫)

あらすじ
芸術棟が封鎖され、困ったクラブや同好会が新たな棲処を探し始めた。美術部の僕は美術室に移動して、無事作品に取り掛かれるかと思いきや、美術部の領地と思しき開かずの間をめぐる鉄研と映研の争いに、否応なく巻き込まれてしまう。しかし翌日、その開かずの間に突如異様な鉄道模型が出現!?表題作を含む五編収録の、山あり谷ありで事件に満ちたコミカルな学園ミステリ短編集。

『理由あって冬に出る』の青春日常の謎ミステリシリーズの短篇集。時系列が前作とまたがってるので若干居心地悪い。が、内容は上上。というか着実に作者の力量が上がっていて、楽しんで読んだ。タイトル付けのセンスも秀逸だし。謎解きもストーリーテリングもいい。特に「今日から彼氏」は力入れすぎだ。葉山君の初々しさを微に入り細を穿って描写するほど、バッドエンドしか見えなかったんだがw。まあ「愛妾」君には、かわいい柳瀬さんがいるわけだし。今後の関係が気になるので、予告された次巻が楽しみだ。

• まもなく電車が出現します
• シチュー皿の底は並行宇宙に繫がるか?
• 頭上の惨劇にご注意ください
• 嫁と竜のどちらをとるか?
• 今日から彼氏

★★★★☆