ジョー・ウォルトン『英雄たちの朝 ファージング1』
- 作者: ジョー・ウォルトン,茂木健
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2010/06/10
- メディア: 文庫
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あらすじ
第二次世界大戦中の1941年、ナチスの副総統ルドルフ・ヘスの英国への単独飛行をきっかけとして歴史が動き出す。英国はドイツ第三帝国と和平講和を結ぶこととなる。この和平に尽力したのが、英国政治派閥「ファージング・セット」。これを契機にファージング・セットは英国政治を牛耳ることとなる。1949年、英国の田園地帯ファージングの屋敷でのファージング・セットのパーティの折、有力政治家が殺害される。動機は個人的怨恨か、それとも他の政治的思惑か??犯人はユダヤ人か、アナーキストか、共産主義者か、それとも??
《ファージング》三部作の第一巻。創元推理文庫ということでスルーしかけたが間違いだった。素晴らしい歴史改変SF!!!ナチと講和を結んだ英国がファッショへの道を駆け下りてゆくという改変歴史がミステリのオチと巧く結び付けられており大満足。特に、ミステリ的には細かいところまで気を配ってない感じだけど、歴史改変的には本当に細部までこだわってるのが良い。ラスト近く417頁の『一九七四年』とかね。暗雲渦巻くその後の英国がどうなるのか非常に気になります!!!
http://www.webmysteries.jp/translated/isobe1007-1.html(東京創元社のウェブマガジン・本書についての解説評論)
★★★★★