くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

米澤穂信『いまさら翼といわれても』

いまさら翼といわれても

いまさら翼といわれても

あらすじ
「大人」になるため、挑まなければいけない謎。待望の〈古典部〉最新作!
累計205万部突破の〈古典部〉シリーズ最新作!
誰もが「大人」になるため、挑まなければいけない謎がある――『満願』『王とサーカス』の著者による、不動のベスト青春ミステリ!
神山市が主催する合唱祭の本番前、ソロパートを任されている千反田えるが行方不明になってしまった。夏休み前のえるの様子、伊原摩耶花福部里志の調査と証言、課題曲、ある人物がついた嘘――折木奉太郎が導き出し、ひとりで向かったえるの居場所は。そして、彼女の真意とは?
時間は進む、わかっているはずなのに。
奉太郎、える、里志、摩耶花――〈古典部〉4人の過去と未来が明らかになる、瑞々しくもビターな全6篇。

古典部新刊!やっぱり古典部は面白い!どれもシッカリ日常の謎ミステリ短編になっている。そして各話それぞれで古典部メンバーの葛藤が描かれていて、それぞれに行き場のない屈託を抱えているのも米澤先生らしい。摩耶花の創作の行方と千反田家の行く末が気になる。なので、これからも米澤先生を追いかけ続けます!!

  • 箱の中の欠落

神山高校の生徒会長選挙、その開票時に票が水増しされていたことが発覚する。その犯人として選挙管理委員の1年生が疑われてしまう。選挙の投票立会い人として参加していた里志はこのことを不審に思い最初は自分で推理するも行き詰まり、奉太郎に相談する。奉太郎は突然電話してきた里志に困惑するが、里志が立会い人としてではなく選管の1年生を疑った選管の委員長に一泡吹かせてやりたいという理由から依頼してきたと知り推理に協力する。

  • 鏡には映らない

伊原はある日偶然中学で同級生だった池平と会い、話題は卒業制作の話になる。奉太郎や伊原が卒業した年、鏑矢中学では卒業制作として鏡のフレームを作ることになり、それは各班が分担されたパーツを作り、最後に組み合わせて完成というものであった。他の班がパーツを完成させていく中、奉太郎の班ははデザインを無視した明らかに手を抜いたパーツを提出し、結果として多くの生徒の恨みを買ってしまう。摩耶花はこのことを疑問に思い、直接奉太郎にその真意を聞くがはぐらかされてしまう。気になる摩耶花は奉太郎と同じ班であった芝野に話を聞き、鳥羽麻美という人物が関わっていることを知る。さらに調べていくうちに、摩耶花は意外な真実を知ることとなる。

  • 連峰は晴れているか

ある日、奉太郎はふと中学時代に教師の小木正清が「ヘリが好きなんだ」という趣旨の発言をしたことを思い出す。しかし、小木がそのような発言をしたのはその一度きりであった。奉太郎はある嫌な予感がし、その予感を確かめるためにえると一緒に図書館へと向かう。そこで奉太郎たちは小木が登山家だったことを知る。そして、過去の新聞記事を調べていくうちに小木が「ヘリが好きなんだ」といった真意が明らかになっていく。

  • わたしたちの伝説の一冊

文化祭の一件以降、摩耶花の所属する漫画研究会では"漫画を読みたい派"と"漫画を描きたい派"に分かれてしまっている状態になっていた。そんなある日摩耶花は"描きたい派"である長沼から、神山高校漫画研究会名義で出す同人誌を描きたいから手伝って欲しいと頼まれる。その真意は、同人誌を出したという既成事実を作ることで"読みたい派"の人たちに「漫画研究会は漫画を描くところだ」というのを示すことが目的であり、また長沼から指定されたテーマが漫研ということもあって、摩耶花は手伝うことを渋ってはいたものの最終的に承諾する。しかし、その同人誌を描くという計画が"読みたい派"に露見してしまい、長沼・摩耶花共々漫研で吊し上げられてしまう。その結果"読みたい派"であり次期部長である羽仁に、「同人誌を完成させられたら、読みたい派は退部して別の部を作る。その逆だったら描きたい派は出て行け。」という条件を半ば強引に飲まされてしまう。そんな中、漫画のネームを描いていた摩耶花のノートが盗まれてしまう。

  • 長い休日

ある日、目覚めた奉太郎は珍しく自分の調子が良いことに気づく。昼食をとり終えた奉太郎は、散歩がてら本を読むために荒楠神社へと向かう。すると、偶然十文字かほと会い「えるもいる」と言われ詰所内のかほの部屋に連れて行かれる。そして、成り行きでえると一緒に神社の清掃を手伝うことになった奉太郎は、そこでえるに、なぜ奉太郎のモットーが「やらなくていいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に。」となったのか理由を聞かれる。質問を受けた奉太郎は、きっかけとなった小学校の時の出来事を話し始める。

  • いまさら翼といわれても

2年生の夏休みのある日、伊原から「ちぃちゃんの居場所を知らないか?」という電話が掛かってくる。市の合唱祭でソロパートを歌うはずだった千反田が、出番が近づいても会場に現われないというのだ。取りあえず現場に向かった折木は、僅かな手がかりから居場所と来ない理由を推理していく。
(各話あらすじはウィキペより引用)
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