あらすじ
日本SF作家クラブ創立50周年を記念するアンソロジー。
第二巻には、小松左京SFの頂点のひとつ「ゴルディアスの結び目」、
夢枕獏の初期代表作であるロマンチック・ファンタジイ「ねこひきのオルオラネ」、
神林長平『戦闘妖精・雪風』第一話のSFマガジン掲載版「妖精が舞う」など
一九七三年から一九八二年に発表された全十篇を収録。
「浸透と拡散」の時代に生まれた日本SFの飛躍をご堪能あれ。
二巻も佳作ぞろいで大満足!白眉は、眉村卓「名残の雪」と新井素子「ネプチューン」の短篇のクセに長い二作。特に新井素子は今までメルヘンちっくな小説家なのかとの偏見で未読だったけど、間違いでした。目にウロコが飛び込んできた思いです。自然⇔人為の違いとカンブリア大爆発を女性ならではの視点でSFに昇華させる手腕に感服。眉村は既読だったけど、新撰組の名前が出てくるだけで熱い。時間SF特有の改変とラストの情景も鮮やか。あと神林長平「妖精が舞う」も嬉しい。『戦闘妖精・雪風』雑誌掲載オリジナル版とは粋なセレクションに感動。
- 1973年「メシメリ街道」山野浩一
- 1974年「名残の雪」眉村卓
- 1975年「折紙宇宙船の伝説」矢野徹
- 1976年「ゴルディアスの結び目」小松左京
- 1977年「大正三年十一月十六日」横田順彌
- 1978年「ねこひきのオルオラネ」夢枕獏
- 1979年「妖精が舞う」神林長平
- 1980年「百光年ハネムーン」梶尾真治
- 1981年「ネプチューン」新井素子
- 1982年「アルザスの天使猫」大原まり子
★★★★☆