日本SF短篇50 III: 日本SF作家クラブ創立50周年記念アンソロジー (ハヤカワ文庫JA)
- 作者: 日本SF作家クラブ
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2013/06/06
- メディア: 文庫
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あらすじ
日本SF作家クラブ創立50周年アンソロジー第3巻。1983年から1992年に発表された作品より、山田正紀の時空SF《神獣聖戦》シリーズ「交差点の恋人」、栗本薫の小説による現代社会批評ともいうべき「滅びの風」、森岡浩之のデビュー作であり、人工言語SFの名品「夢の樹が接げたなら」など十篇を収録。現代日本SFを牽引する作家が次々と誕生した躍進の十年の精華を届ける。
今回も佳作ぞろいの第三巻。買ってすぐ巻頭の山田正紀を読みはじめたんだけど合わなくて今まで放置してましたが。文系SFの造語の連発はチョット苦手。白眉は草上仁。異星生物の生態を描きつつ、叙情的な作品に仕上げており素敵。中井紀夫も素晴らしい。SFとの境界線上の異世界小説だが、世界観の壮大さと人間のひたむきさが読ませる。田中芳樹の背景にある人類の恒星間戦争、谷甲州の惑星文明発展を制御する異星勢力、森岡浩之の言語学&脳科学、などもベスト級のSFネタで満足感でお腹いっぱいに。あとタチコマ&火星SFである川又千秋も、長篇版をぜひとも探さねば!
- 1983年「交差点の恋人」山田正紀
- 1984年「戦場の夜想曲」田中芳樹
- 1985年「滅びの風」栗本薫
- 1986年「火星甲殻団」川又千秋
- 1987年「見果てぬ風」中井紀夫
- 1988年「黄金郷」野阿梓
- 1989年「引綱軽便鉄道」椎名誠
- 1990年「ゆっくりと南へ」草上仁
- 1991年「星殺し」谷甲州
- 1992年「夢の樹が接げたなら」森岡浩之
★★★☆☆