くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

日本SF作家クラブ編『日本SF短篇50(3)』

あらすじ
日本SF作家クラブ創立50周年アンソロジー第3巻。1983年から1992年に発表された作品より、山田正紀の時空SF《神獣聖戦》シリーズ「交差点の恋人」、栗本薫の小説による現代社会批評ともいうべき「滅びの風」、森岡浩之のデビュー作であり、人工言語SFの名品「夢の樹が接げたなら」など十篇を収録。現代日本SFを牽引する作家が次々と誕生した躍進の十年の精華を届ける。

今回も佳作ぞろいの第三巻。買ってすぐ巻頭の山田正紀を読みはじめたんだけど合わなくて今まで放置してましたが。文系SFの造語の連発はチョット苦手。白眉は草上仁。異星生物の生態を描きつつ、叙情的な作品に仕上げており素敵。中井紀夫も素晴らしい。SFとの境界線上の異世界小説だが、世界観の壮大さと人間のひたむきさが読ませる。田中芳樹の背景にある人類の恒星間戦争、谷甲州の惑星文明発展を制御する異星勢力、森岡浩之言語学脳科学、などもベスト級のSFネタで満足感でお腹いっぱいに。あとタチコマ&火星SFである川又千秋も、長篇版をぜひとも探さねば!

★★★☆☆