くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

麻耶雄嵩『友達以上探偵未満』

友達以上探偵未満 (角川文庫)

友達以上探偵未満 (角川文庫)

あらすじ
三重県立伊賀野高校の放送部に所属する、伊賀ももと上野あおは共にミステリが大好き。ある日、部活動の取材で訪れた、ホテル主催のミステリーツアーで殺人事件に遭遇する。奇妙な現場は、芭蕉の俳句の見立て?探偵志望の2人は、ももの直感力とあおの推理力を生かし、事件を解決しようとするが…(「伊賀の里殺人事件」)。本格的な謎解きが堪能できる3篇を収録。女子高生探偵2人のキュートで切れ味鋭い、真剣推理勝負が開幕!

名探偵志望の女子高生二人。直感型探偵の伊賀ももと理論型探偵の上野あお。第一話と第二話の「読者への挑戦」つきの犯人当てミステリも高品質のロジックで面白いんだが、白眉は最後の第三話の中学時代の話。正統派の探偵を目指すあおは、直感と形だけの名探偵のももを下に見て、ワトソン役になってほしいと思うように。しかし事件と対峙することによって、成長し、相互補完のダブル名探偵を確立していく。名探偵とはという命題を探求する麻耶先生らしい新たな名探偵像。「友達以上探偵未満」のタイトルもしっかり回収!
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