くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

連城三紀彦『夕萩心中』

夕萩心中 (光文社文庫)

夕萩心中 (光文社文庫)

あらすじ
時は明治末期。政府重鎮の妻君・但馬夕とその家の書生・御萩慎之介との情死事件は起きた。現世では成就できない愛を来世に託した二人の行為を、世人は「夕萩心中」ともて囃したが、その裏には驚くべき真実が隠されていた…。日本ミステリ史を美しく彩る“花葬”シリーズ三作品に、ユーモア・ミステリの傑作連作「陽だまり課事件簿」を併録。流麗なる連城“世界”に酔う。

花葬》シリーズで『戻り川心中』に収録されなかった3編を収録。落穂拾い的な作品群かと思っていたが、とんでもない!どれも傑作!美しい筆致で花をモチーフにした愛憎劇を紡いでいたと思いきや、物語が反転し、明治末期の歴史のうねりも合わさり、意外なラストへ。《花葬》シリーズはどれもこの流れなんだけど、特に「菊の塵」の意外性には感服。やっぱり好きなシリーズだ。そしてページ数合わせに併録された「陽だまり課事件簿」3話。なんだこれ!?新聞社を舞台にしたコメディタッチのミステリ。面白いけど、《花葬》の余韻が台無しすぎる!

収録作品

  • 花緋文字
  • 夕萩心中
  • 菊の塵
  • 陽だまり課事件簿
    • 第一話 白い密告
    • 第二話 「四つ葉のクローバー」
    • 第三話 鳥は足音もなく