
- 作者:連城 三紀彦
- 発売日: 2007/06/01
- メディア: 文庫
あらすじ
時は明治末期。政府重鎮の妻君・但馬夕とその家の書生・御萩慎之介との情死事件は起きた。現世では成就できない愛を来世に託した二人の行為を、世人は「夕萩心中」ともて囃したが、その裏には驚くべき真実が隠されていた…。日本ミステリ史を美しく彩る“花葬”シリーズ三作品に、ユーモア・ミステリの傑作連作「陽だまり課事件簿」を併録。流麗なる連城“世界”に酔う。
《花葬》シリーズで『戻り川心中』に収録されなかった3編を収録。落穂拾い的な作品群かと思っていたが、とんでもない!どれも傑作!美しい筆致で花をモチーフにした愛憎劇を紡いでいたと思いきや、物語が反転し、明治末期の歴史のうねりも合わさり、意外なラストへ。《花葬》シリーズはどれもこの流れなんだけど、特に「菊の塵」の意外性には感服。やっぱり好きなシリーズだ。そしてページ数合わせに併録された「陽だまり課事件簿」3話。なんだこれ!?新聞社を舞台にしたコメディタッチのミステリ。面白いけど、《花葬》の余韻が台無しすぎる!
収録作品
- 花緋文字
- 夕萩心中
- 菊の塵
- 陽だまり課事件簿
- 第一話 白い密告
- 第二話 「四つ葉のクローバー」
- 第三話 鳥は足音もなく