くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

米澤穂信『巴里マカロンの謎』

巴里マカロンの謎 (創元推理文庫)

巴里マカロンの謎 (創元推理文庫)

あらすじ
11年ぶり、シリーズ最新刊!創元推理文庫オリジナル
そしていつか掴むんだ、あの小市民の星を。
謎に遭遇しがちな小佐内さんと、結局は謎解きに乗り出す小鳩君
手に手を取って小市民を目指すふたりの高校生が帰ってきました!
ここにあるべきではない四番目のマカロンの謎、マスタードが入った当たりのあげパンの行方。なぜかスイーツがらみの謎に巻き込まれがちな、小鳩君と小佐内さんの探偵行。「小佐内先輩が拉致されました!」「えっ、また?」お待たせしました、日々つつましく小市民を目指す、あの互恵関係のふたりが帰ってきます。人気シリーズ11年ぶりの最新刊、書き下ろし「花府シュークリームの謎」を含めた番外短編集。四編収録。

亮人::どぅおもー!漫才風読書感想でーす!
ゲンキ君::今回は米澤穂信先生の『巴里マカロンの謎』だガル!
亮人::《小市民》シリーズ、11年ぶりの新刊や!待ってました!
ゲンキ君::『春期限定いちごタルト事件』『夏期限定トロピカルパフェ事件』『秋期限定栗きんとん事件(上)(下)』に続いて、『冬期限定』ではなく、番外編が来るとは思わなかったガル。
亮人::11年前の『秋期限定』の時はまだ米澤穂信先生がここまでビッグネームじゃなくて(それでも有名ではあったけと)新刊が並んでる店を探しまくったんだよなぁ。その店も今では潰れたし。時の流れを感じるわ。
ゲンキ君::今回は連作短編集になっているガルな。マカロンの謎を快刀で解く小鳩君。チーズケーキをヒントに機転を利かす小佐内さん。揚げパン事件では見事なロジックの犯人当て!そして全てが繋がるシュークリームの謎!今までの魅力そのままに、新たな魅力も増していて、大満足ガル!
亮人::本家に負けない《国名シリーズ》としてシリーズ内シリーズにしてほしいわ!
ゲンキ君::それでは各短編を見ていくガル。

亮人::巴里!パリ!
ゲンキ君::パリで修行して東京で成功したパティシエ。そのパティスリーが近くに出店するということで小鳩君と小佐内さんが名古屋まで出てくる話だガル。
亮人::そのパティスリーで有名なマカロンを食べるんやなー。
ゲンキ君::有名なマカロンは一皿3個のはずが、小佐内さんの皿にいつの間にか4個目が?!果たして誰が何のために置いた?という日常の謎ガル。
亮人::手がかりがほぼ無い状態から、よくぞここまで周囲を観察して答えにたどり着くなー!
ゲンキ君::さすが名コンビ!
亮人::ってか推理狐を封じてる小鳩君、相変わらず言い訳しつつ脳フル回転で小賢しいわー!小佐内さんの復讐狼は、今回のラストも地味にスゴイ。
ゲンキ君::これぞ《小市民》だガル!
亮人::「うわー突然の米軍の通信傍受だ!」「いや、電磁波攻撃だ!」「うわー全て監視されているんだー!」
ゲンキ君::(突然の寸劇?)ってそれ「マカロン」じゃなくて「エシュロン」じゃないかーい!次。

  • 紐育チーズケーキの謎

亮人::紐育!ニューヨーク!
ゲンキ君::1編目でアレコレあって中学生ちゃんに慕われるようになるガル。その子の文化祭に行くことになった小佐内さん。その子のクラスのニューヨークチーズケーキの出店へ。
亮人::ニューヨークチーズケーキってこういう物やったんや?美味しそうやな―!
ゲンキ君::その後に文化祭会場で事件に巻き込まれる小佐内さん。キャンプファイアの前で何者かから逃げる学生にぶつかられる。そしてゴタゴタあって小佐内さんはその何者かに連れて行かれてしまうガル!?残された小鳩君は、小佐内さんの隠した謎を解いて小佐内さんを見つけられるのか?
亮人::出てきたファクターが全て繋がって一つの解決になる推理は見事で気持ちいい!そして解決したことで、小佐内さんの機転に驚愕!さすが狼よ!
ゲンキ君::ってかこのトリック、ちゃんと再生できるんだガルね?
亮人::絶秒のバランスよな。ってか中学生の子に慕われて、ちゃんと先輩してる小佐内さんもレアやな!
ゲンキ君::チーズケーキだけに、ってやかましいガル!
亮人::「いやー最近の火星都市も不況の波がねー」「地球からの観光客も減ってるみたいやし」「火星商店街もシャッターが多くなってきたなー」
ゲンキ君::ってそれ「チーズケーキ」じゃなくて「マーズ景気」じゃないかーい!次。

  • 伯林あげぱんの謎

亮人::伯林!ベルリン!
ゲンキ君::堂島健吾の新聞部で「ベルリーナー・プファンクーヘン」というドイツの揚げパンの記事を書くため試食会を開くガル。ドイツの伝統でその揚げパンはロシアンルーレット遊びにも使われるらしい。ということで、新聞部でも実施。しかし誰も辛いと名乗りを上げない。このままでは企画倒れ。以前から部内の人間関係もギスギスしていて、企画倒れになると一触即発。ということで、偶然に居合わせた小鳩君が探偵することに。
亮人::雑誌連載時には、前後編に分かれてて「犯人当て」が開催されたんよなー。まさに丁寧なネタフリから犯人を推理できるパズルになっている。さすが!
ゲンキ君::ってかこれ、犯人はアノ人しかいないガルね笑!?
亮人::もうアノ人が犯人しかないっていう分かりやすい見え見えは、シリーズ物のご愛嬌として!ただそこまでの理論建てた推理がポイントや。オレも薄っすらは見当ついたけど、全て完璧にはさすがに難しいね!すばらしいロジック。
ゲンキ君::タイトルを《国名シリーズ》に掛けているのも伊達じゃないガル!楽しい推理ゲームだったガル!
亮人::「花粉症には、ワセリンがいらしいよ」「へぇ~そうなんや?」「鼻の周りに塗るといいらしいよ」「じゃあ私にも分けてちょうだいよ?」「いやいやコレはオレのやから、あげられへんし」
ゲンキ君::ってそれ「伯林あげぱん」じゃなくて「ワセリンあげへん」じゃないかーい!次。

  • 花府シュークリームの謎

亮人::花府!フィレンツェ
ゲンキ君::1編目で小佐内さんと仲良くなった中学生が突然停学に。身に覚えのない飲酒疑惑で。ということで小佐内さんと小鳩君に真相究明解決を頼む話だガル。
亮人::名古屋中を走り回って手掛かりを探すんよなー。その小佐内さんの行動力に驚き!
ゲンキ君::写真がキーポイントなのは分かったけど、犯人がそこに繋がるとは驚きだったガルね!またもや素晴らしいロジック!
亮人::そして最後は、小市民らしからぬハッピーエンド!たまには、こういう小佐内さんもいいよねw
ゲンキ君::ってか二人とも、小市民の行動理念を忘れすぎだガル!まぁいつものことだけどねーw
亮人::「へぇSupremeってこんな所でも売ってるんや?」「私もこのブランドのTシャツ持ってるよ」「まさか地獄支店でコラボTシャツが売ってるとはねー」
ゲンキ君::ってそれ「花府シュークリーム」じゃなくて「冥府シュプリーム」じゃないかーい!
亮人::とりあえず今作でも《小市民》シリーズが大好きと確認できたな!この調子で早く『冬期限定』も読みたいわ!
ゲンキ君::何まとめてるガル?!ってか今日は何で寸劇ばかり披露してるガルか?
亮人::「小市民」だけに、疾走(質素)感あるネタやったやろ?
ゲンキ君::いやいや、質素な疾走感どころか、険悪(倹約)になりそうなくらい笑えないガル!
亮人::ちーん。これがホントの「笑止」民w
ゲンキ君::もうやめさせてもらうわん!ガルガル!!!

収録作品

  • 巴里マカロンの謎
  • 紐育チーズケーキの謎
  • 伯林あげぱんの謎
  • 花府シュークリームの謎

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