くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

時里二郎『名井島』

名井島

名井島

あらすじ
用済みになった人形やアンドロイドが余生を送るサナトリウムの島。過去‐未来を貫いて、精妙にスタイルを変容させながら、多層的に織り上げられた、言語の島をめぐる探究の地誌。

亮人::どぅおもー!漫才風読書感想でーす!
ゲンキ君::今回は時里二郎『名井島』だガル!
亮人::兵庫の詩人・時里二郎さんの、高見順賞&読売文学賞受賞作やな。
ゲンキ君::《言語構造物》によってヒト文明が崩壊した後の世界。はるか昔から言葉を精製して歌人に渡していた名井島。崩壊したヒト文明に派遣される言語アンドロイドと、今はアンドロイドの療養所となった名井島。名井島を管理する《伯母》と猫。こういった世界観を詩と散文で断片的に提示していくといった一作だガル!
亮人::断片的に提示される文章から浮かび上がってくる名井島の姿は、幻想的やけどどこか退廃的。ポストアポカリプスSFな設定なんやけど、SFともまた違った手触りで、独特な静謐があるんよなー。すごい作品や!詩の世界には詳しくないけど、なんか静かなパワーを感じたわ!
ゲンキ君::言葉というものの、美しさと強大なパワーを感じたガルね。
亮人::この本を貸してくれたきっかけになったオススメ感想も改めて見て、オレとは違った捉え方してたり、やっぱり言葉って色々な受け止め方のできる多面的なもので、制御できない力を秘めているものなんだと再認識したよな。
ゲンキ君::すごい本を読んだガルな。
亮人::ところで「名井島」ってどこにあるんやろかなー?
ゲンキ君::瀬戸内海とは記述があったけど、未来の話で幻想の島だから、特定はできないんじゃないガルか?
亮人::これは依頼を出ださんとあかんなー!
ゲンキ君::依頼?
亮人::\てってっててー/♪ベッドのまわりに何もかも脱ぎ散らして~週末だけの秘密の部屋~おどけて~チークを~踊り続けてる~お前を~つかまえて~♪「複雑に入り組んだ現代社会に鋭いメスを入れ、さまざまな謎や疑問を徹底的に究明する「探偵名井島スクープ」私が局長の亮人です」わー
ゲンキ君::って、ナイトスクープかーい!!いやそもそも「名井島」って「ないとう」じゃなくて「ないじま」じゃないガルか?
亮人::うぇーん、うぇーん。
ゲンキ君::急にどうしたガル?
亮人::これがホントの「泣いとう」よw
ゲンキ君::「泣いてる」を神戸弁で言うと「泣いとう」!?ってだから「ないとう」じゃなくて「ないじま」なんだガル!間違いを認めなさい!
亮人::コウベを垂れて謝ります。神戸だけにw
ゲンキ君::本書の静謐な空気が台無しガル!もうやめさせてもらうわん!ガルガル!!!
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