くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

白樺あじと『空飛ぶ灰皿 熊の理由』『飲み会が終わったら』


空飛ぶ灰皿 熊の理由
作者:白樺あじ
出版社/メーカー:シーラカンス・バカンス
発売日:2017/01/22
メディア:文庫判(A6)

あらすじ
日常の謎】ある夜に突如消え失せ、翌日には元の場所に戻っていた灰皿の謎。(空飛ぶ灰皿)屋敷に侵入して価値のない木彫りの熊の像を盗んでいった泥棒の謎。(熊の理由)サークルの飲み会で繰り広げられる推理合戦は、やがて意外な真相へとたどりつき…。酔いどれ大学生たちが解き明かす日常の謎2編。


飲み会が終わったら
作者:白樺あじ
出版社/メーカー:シーラカンス・バカンス
発売日:2019/03/21
メディア:文庫判(A6)

あらすじ
日常の謎】飲み会の最中に盗まれた現金入りの封筒が、中の現金が多くなって戻ってきた謎。(過剰返金盗難事件)事故現場から忽然と消えてしまった男の謎。(飲み会が終わったら)サークルの飲み会で繰り広げられる推理合戦、けれど、本当の解決は飲み会の後に待っていた。酔いどれ大学生たちが解き明かす日常の謎2編、久しぶりの続巻です。

亮人::どぅおもー!漫才風読書感想でーす!
使い魔・ゲンキ君::今回は、9/8の文フリ大阪でゲットした、シーラカンス・バカンスの白樺あじと(@coelacanth_va)さんによる『空飛ぶ灰皿 熊の理由』と『飲み会が終わったら』のシリーズ2冊だガル!
亮人::文フリでゲッターした同人誌でも漫才風読書感想はちゃんとやるで~!
ゲンキ君::たしかシーラカンス・バカンスさんはご主人のお気に入りだったガルね?
亮人::そうそう!去年の文フリ大阪でたまたま出会って、帰って読んで衝撃を受けたんや!傑作やったんや!だから今年の文フリ大阪ではイの一番に行って「並んでる本ぜんぶ下さい!」って言ったった!
ゲンキ君::そこまで言うガルか?
亮人::日常ミステリでも非常に丁寧に書かれた「フェアなミステリ」なんやで。つまり、それまでに出てきた描写(手掛かり)を過不足なく使って、理論的な筋道で推理して謎を解決するミステリなんや!
ゲンキ君::それはすごいガル!
亮人::今年の文フリでは、ブースの前で「去年買った『ミステリな君に』で大好きになって今年も来ました」「日常ミステリといえば、米澤穂信先生とかも好きですよね」とか少し話もさせてもらって、最高やったんや!!
ゲンキ君::なるほど!ではそろそろ今日の2冊にいくガルよ!このシリーズは、大学のサークルの飲み会のたびに発生する謎を解いていく日常ミステリだガル!
亮人::1冊目の1本目は「空飛ぶ灰皿」やな。
ゲンキ君::大学の研究棟の喫煙所の灰皿が突然消え失せて、次の朝にはまた戻っていたという話だガル。
亮人::酒席の話だけでここまで推理できるのかというのがまず驚きやったなー。酒を飲みながらも思い出していって、話をもとに推理していくんや。
ゲンキ君::でもちゃんと話の流れで出てきた要素をちゃんと繋ぎ合わせて推理しているガルね。フェア中のフェアなミステリだガル。
亮人::しかも最後に仕掛けもしっかり発揮するしなー。ままあるネタっちゃネタやけど、きっちり伏線回収してて上手いんや。まさかここで仕掛けてくるとは思わんかったわ!
ゲンキ君::1冊目の2本目「熊の理由」は、隣家の空き巣を目撃する話ガル。
亮人::空き巣を目撃したと見せかけて、あれよあれよと大きな事件が見えてくる流れが面白い!なぜ無価値の木彫りの熊だけが盗まれたのか、という謎への意外な答えに小膝を叩いたわ!
ゲンキ君::2冊目の1本目「過剰返金盗難事件」は日常の謎というか最早事件で、そしてその事件の謎が突飛で惹かれるガル。
亮人::サークルの飲み会で会費の入った封筒が盗まれるんよな。でも無事返ってくる。しかし中のお金を確認したら3000円増えてる!?
ゲンキ君::これは不思議!
亮人::謎も不思議だし、答えも意外なもので、これは思わずうなったわ!しかもちゃんと伏線がありフェアな描写で解答を導いて解決してるしな。ほんまにコレすごい日常ミステリやで!
ゲンキ君::最後の、2冊目2本目「飲み会が終わったら」は、先輩の聞いてきた謎を酒席で謎解き大会する話。
亮人::とある道の駅でひき逃げがあり男と女のケガ人が出たと通報があった。しかし行ってみると女のケガ人しかいなかった、男は消えていたという謎。
ゲンキ君::しかしただの謎解き大会ではなく、これも終盤の話の広がりが意外で面白かったガルな。
亮人::謎を解決するだけじゃなく、登場キャラクタの内面に迫るラストは読み応えあったわ!ストレートでない屈託を抱えた性格を描くのも上手いわ!
ゲンキ君::あとフェアなミステリにこだわりを持って書かれているのも一番前面出てて、すごく好感だったガルな!
亮人::それはどの話にも言えるけど、ラストが一番フェアに気を使ってたな!ほんま好感やわ!
ゲンキ君::どの話も酒席での推理披露大会になっていくという趣向なので「多重推理モノ」でもあり、しかし酔いの中での推理なのでテンポよく反論されたり目まぐるしく話の流れが変わったり、本当に楽しい話ガル!酒席に同席しているような気分になったガル。
亮人::ってかこのサークル、何サークルやねん!ただの飲みサーではなく、本活動があるみたいやけど、明言されてないからメッチャ気になるやん!?
ゲンキ君::ぜひとも続巻を希望でお願いしますガル!!
亮人::こんなん読んでたらオレも大学時代を思い出したよなー。
ゲンキ君::ご主人の大学時代、どんなだったガルか?
亮人::そりゃトップの成績で卒業よ!
ゲンキ君::首席で卒業!?!?それは初耳ガル!
亮人::そうそう、ゼミの担当教授に酒を飲ましてムリヤリ単位をもらって卒業ww
ゲンキ君::ってそれ首席じゃなくって「酒席で卒業」だガルー!!
亮人::酒席だけに、それで「えーんかい」ww
ゲンキ君::それはコッチのセリフだガル!?もうやめさせてもらうわん!ガルガル!!!

f:id:akito0526:20190925095711j:plain