- 作者:光瀬 龍
- メディア: 文庫
あらすじ
昔、世界にはふたつの国だけがあった。東の国はヴァーラタ国、西の国はアトランティス王国といった。ある夜、異様に赤く染った夜空に光の輻が回り、この異変を契機にふたつの国は争いの渦に…アトランティス王国滅亡の陰に隠されたヴァーラタ国の悲劇的終末をえがく「アヨドーヤ物語」、心ない地球人の干渉が引き起こした異星の悲劇「惑星アルマナ」。華麗な文体と繊細なイラストで綴られたSF叙事詩。
下巻は中編が中心。インダス文明のヴァーラタ国と地中海文明のアトランティス王国が二大国家の古代文明時代。この二国が巨大な存在によって滅ぶ様子が美しくも儚く描写される。イラストも相まって幻想的なんだけど、しっかりとSFのバックボーンはあり、読み応えがある。併録の短編も、滅びの美学を体現したようなSFで、これぞ光瀬龍の無常観。
収録作品
- 惑星アルマナ(1)(2)
- アヨドーヤ物語(1)~(10)