くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

柾悟郎『ヴィーナス・シティ』

ヴィーナス・シティ (ハヤカワ文庫JA)

ヴィーナス・シティ (ハヤカワ文庫JA)

あらすじ
森口咲子、26歳、現在独身。職業は不良会社員。そんなあたしが、夜ごとコンピュータ・ネットワーク・ゲーム用の転換ルームをくぐり抜け、男性のボディを身にまとう―ジェンダーさえもが望みどおりとなる、コンピュータ・ネット上に構築されたヴァーチャル都市「ヴィーナス・シティ」が多発する暴力事件は国際的情報犯罪の布石だった。21世紀初頭、巨大ネットワーク国家となった日本を描いた第14回日本SF大賞受賞作。

亮人::どぅおもー!漫才風読書感想でーす!
使い魔・ゲンキ君::今回は、柾悟郎日本SF大賞受賞作、サイバーパンクSFの『ヴィーナス・シティ』だガル!
亮人::ってかこれラノベの『ソードアート・オンライン』やん!?
ゲンキ君::たしかに電脳世界の中で戦うという意味では、『ソードアート・オンライン』などの後続作品に多大な影響を与えているかもガルね。
亮人::これが1992年に書かれていたとは、スゴイやん!
ゲンキ君::まだインターネット前夜の時代ガルね。
亮人::まだテレホマンもグリッドマンもいなかった時代にww
ゲンキ君::またマニアックな。まずテレホマンを説明しようガル。まだインターネット接続がダイヤルアップだった時代、従量課金の料金体系が普通だったけど、テレホーダイという23時~翌日8時という時間限定で使い放題のサービスがはじまったガル。1995年のことガル。この時間帯はテレホタイムといわれて、みんなこぞって接続するので、繋がりにくい状態になったり。そんなテレホーダイを象徴するアスキーアートがテレホマンだガル!
亮人::懐かしいね。ぴーががががーww 次、グリッドマンは~?
ゲンキ君::ご主人が振っておいて説明は丸投げガルか?『電光超人グリッドマン』は1993年に放映された特撮番組だガル。怪獣が、パソコン通信で電化製品やパソコンに転送されて、中で暴れてプログラムを破壊して、その結果現実世界が大混乱するという設定が当時メチャクチャ新しかったガル。怪獣とグリッドマンが戦う電脳世界が、キラキラとしたカラフルな街みたいな世界で、その表現方法も新しかったガル。
亮人::説明ありがとうw
ゲンキ君::平成も終わるというのに、昔の例え出してくるなガル!
亮人::それで『ヴィーナス・シティ』の話やな。26歳のOLの森口咲子が、日ごろの鬱憤を電脳世界のゲームで晴らす話やんな!
ゲンキ君::巨大家庭用コンピュータに接続された全身スーツとゴーグルを付けてベッドに寝て、電脳世界にダイブするガル。
亮人::電脳世界での咲子は、男になって活動してたり、ジェンダーSFとしても新しい感じがあったな!
ゲンキ君::男性女性にとらわれない性の自分でいられる世界というのは、最新のSFと比べても遜色のないジェンダーSFだガルね!
亮人::あと日本社会の描写も気になったなー。
ゲンキ君::日本式のビジネススタイルが世界を席巻してるんだガルね!?
亮人::日本の経済が世界を牛耳ってるとかw バブル崩壊直前に書かれた作品だから仕方ないけど、隔世の感があるわ。
ゲンキ君::そして電脳世界ヴィーナス・シティで世界経済を巻き込む陰謀に巻き込まれていくガルね。
亮人::そんな日本と国際的犯罪の戦いの中で、日本人の民族性についての考察があったり、面白かったよ!
ゲンキ君::サイバーパンクなのに読みやすいところも良かったガルな!
亮人::ところで、電脳世界では容姿も自由に変えられるんやんなー?コンプレックスを隠したりも出来るんや。
ゲンキ君::そりゃそうだガル。
亮人::例えば、モミアゲ(サイド)の毛を長く伸ばして顔の輪郭を隠している、丸顔がコンプレックスの女の子も、電脳世界ではスタイリッシュな顔になれるねや?
ゲンキ君::そうだガル。好きな容姿に変更できるガル。
亮人::丸顔がコンプレックスで、米ナスのような丸々した顔でも!米ナスのようなww
ゲンキ君::急に丸顔コンプレックスを米ナス呼ばわりするなガル!
亮人::これがホントの、「ヴィーナス・シティ」ならぬ「米ナス指定」なんちゃってww
ゲンキ君::ひどいネタだガル。これは次回の賞与はカットだガルな!
亮人::賞与カット。これは失態。これがホントの、「ヴィーナス・シティ」ならぬ「ボーナス失態」ww
ゲンキ君::もうやめさせてもらうわん!ガルガル!!
★★★★☆
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