くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

ロバート・A・ハインライン『ルナ・ゲートの彼方』

ルナ・ゲートの彼方 (創元推理文庫)

ルナ・ゲートの彼方 (創元推理文庫)

あらすじ
恒星間ゲートを利用して未知の惑星に志願者を送りこみ、回収のときまで無事生きていられたら合格――これが上級サバイバル・テストだ。ハイスクール生のロッドは両親の猛反対を押しきって、十数名のクラスメイトとともにゲートをくぐった。事故で回収が不可能になることなど、露ほども知らずに……。生存のための長い長い闘いがはじまった。巨匠にこの1作ありと語られる名編登場!

恒星間ゲートが発達した世界。ロッドたち学生は、将来に星々で活躍する人材になるためのライセンス試験を受けることに。試験の内容は、未開の惑星でのサバイバル。しかし、一定期間サバイバルすると回収されるはずが、事故でゲートが消えた。ロッドたちの長い長い生存競争がはじまる。苦難の展開の連続でワクワクしながら楽しめるストーリーテリング!素晴らしい!しかしオビにも書いてあるけど、この終わり方たるや!?デウス・エクス・マキナという演出技法があるけど、この投げっぷりは近いものがある。これだったら、別に、サバイバル十日目でも十年後でもいい気がする。しかも最後のロッド一人の悲しみよ。ひどいよ、ハインライン!!アニメの『機動戦艦ナデシコ』の中盤みたいな。どうせなら本書も、仲間の危機にあのときの仲間が再集結、みたいな後の展開が欲しいなー。あとロッドが、いつも逆張りなのも気になった。市長への不信が高まってロッドが市長に推されそうになったら「いや今までの市長を応援しよう」とか、本拠地移転を推進してたのにイザ本拠地が滅茶苦茶になって移転の機運が高まったら「いや今までの本拠地を守っていこう」とか。このメンタルの構造がイマイチわからん。いや全部成功してるからいいんだけど。とりあえず、ハインラインの筆力を思い知らされる、手に汗握るストーリーでした!!
★★★★★