くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

バリントン・J・ベイリー『カエアンの聖衣』

あらすじ
服は人なり、という衣裳哲学を具現したカエアン製の衣裳は、敵対しているザイオード人らをも魅了し、高額で闇取引されていた。衣裳を満載したカエアンの宇宙船が難破したという情報をつかんだザイオードの密貿易業者の一団はその奪取に向かう。しかし、彼らが回収した衣裳には、想像を超える能力を秘めたスーツが含まれていた…後世のクリエイターに多くの影響を遺した英SF界の奇才による傑作の新訳版。星雲賞受賞作。

これぞワイドスクリーンバロック!「服こそ人の本質」という独特の服飾芸術哲学を持つカエアン人。そのカエアンのスーツを手にした男の数奇な運命。どこに連れて行かれるか分からないストーリー展開。これぞワイバロ!SF的大ネタである「受動的知性」も奇想あふれるガジェットで楽しい。これぞワイバロ!あと出てくるSF小道具がいちいち面白くて小ネタにしておくのがモッタイナイ絢爛豪華さ。ヤクザ坊主!これぞワイバロ!大傑作!新訳での満を持しての復活、存分に楽しみました!
(追記:アニメ『キルラキル』に大きな影響を与えて、その脚本家が巻末解説も書いてるんだけど。キルラキルの放映直後の話題がホットなときに復刊させない早川書房の機を見る能力のなさは何とかせないかんと思うぞw)
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