くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

『オデッセイ』

原作(ハヤカワ文庫の『火星の人』)は、発売直後に読んで、大好きな作品。友人さんは最近読まれて、映画も行きたいという話になって一緒に行くことに。
とりあえず泣いたね!NASAの有人火星探査で、主人公ワトニーが事故にあい火星に一人で取り残されて救出が来るまでサバイバルするだけの話。困難の連続を乗り越えて頑張る姿を重ね重ね見た後に、最後に全人類が見守る中での奇跡の救出。これは泣いちゃうよねw
まずは火星の光景が見れたことに感動。不毛の赤い砂漠に強風が吹きつけるシーンだけでも、原作信者として、映画を見にきた甲斐があるってもんだ。
火星嵐で事故にあい一人取り残される冒頭のシーンから、迫力があった。小説では読者の想像力に任さざるをえないところも、映像で見たらそういうことだったんだと納得したり。火星嵐の凶悪さとか。あと事故から意識を取り戻しての、自分で手術するシーンも、映像で見ると結構えぐかった。
そして火星ひとりぼっちのサバイバル。救出を待つまでに足りない分の栄養源としてジャガイモを育てる。ネット上のファンの間では「火星DASH村」とも呼ばれてたねw!まさしくイチからイモを作っていくシーンは、映像で見ると感動。水を作るのに、化学反応させたり。それに失敗して大爆発を起こしてしまったり。映像で見ると、関心。こまかい数字とかは原作と違って省略されてしまっているけど、要点は押さえられており、見やすかった。
省略といえば、原作の「見て見て! おっぱい!->(.Y.)」が省略されていたのには激怒www火星とNASAの連絡手段がやっと確立して、ワトニーが自分の思うままをメッセージにぶつけてたら、NASAから「全世界の公開されるメッセージだから言葉には気をつけてくれ」と言われて、逆にワトニーのユーモアで余計に困らせてやろうと言うシーン。映画でも何か困らせることを言ってるようなシーンはあったんだけど、カメラワークで画面は映らなかったことにしてたみたい。原作信者には「おっぱい!->(.Y.)」を連想させるけど、直接には見せないみたいな。
省略といえば「パイレーツニンジャ」もなかったね。ワトニーが生き残るための計算をしてたときに、便宜上、勝手に作った単位。ワトニーのユーモアがあらわれてる、ほほえましいエピソードなのに。こまかい計算などは、見やすいように省略されているので、仕方ないと言えば仕方ないが。
あと前半中盤の見所と言えば、エアロックのハブが酷使に耐え切れず吹っ飛ぶシーン。一緒に行った友人さんは、専門用語系はなれていなかったらしく、読書だけでは完全に想像し切れなかったとおっしゃっていたが、映画ではしっかり映像になっていて良かった。こういう数々の困難が、NASAの権謀術数による妨害とか人間関係のゴタゴタに由来するものじゃなく、純粋に対自然環境だけってのも好感がもてる要因のひとつだよね。宇宙の環境ってのは、それだけで難敵だし見ごたえのある障害だし絵になるってのを、まざまざと分からせてくれる。
そしていよいよ救出に向けての行動。火星ローバー(車)で、次の調査隊のための大気圏離脱ロケットがあるスキャパレリまでの長旅。ここらへんは映画の尺のために、大幅に省略されていたね。ローバーが転倒したり、大嵐に巻き込まれるかどうかという緊迫感のシーンとか、ごっそりカット。それでも全篇で二時間半弱だから仕方ないか。テンポ良くなっているという面もあるので、良いっちゃあ良いが。
最後は、火星大気圏離脱ロケットと、火星地球往還船とのランデブー。距離と速度を合わせないと宇宙ではランデブーできないというのは、宇宙SFの基本だけど、映画の一般客にも分かりやすいように描いてたと思う。宇宙空間であと一息で互いが届くという所を、宇宙服の手のところを破って空気が抜けるのをスラスターにするというムチャ。全人類が見守る中で、奇跡の生還。もう大号泣。
とりあえず号泣しまくりました!友人さんも三ヶ所くらい泣いたらしいけど、オレは要所要所で泣いてたねwだってワトニーの奮闘とか、全人類の協力とか、胸熱シーンばっかりで、そちゃ泣いちゃうでしょーw十回以上泣いたwオレこういう、いわゆる「胸熱展開」ってやつにメッチャ弱いんだ。
友人さんは原作を読んだばかりで、オレは発売直後(一年半くらい前?)以来だったので、感想会ではオレの記憶が曖昧なところもあったり。原作を読み返したくなった!みなさんも、映画と原作のどちらも楽しまれるのがいいでしょう!!!