- 作者: 椰月美智子
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2012/10/11
- メディア: 文庫
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あらすじ
十代の三姉妹が「るり姉」と呼んで慕うるり子は、母親の妹つまり叔母さん。天真爛漫で感激屋で、愉快なことを考える天才だ。イチゴ狩りも花火も一泊旅行もクリスマスも、そして日々のなんでもない出来事も、るり子と一緒だとたちまち愛おしくなる―。「本の雑誌」2009年上半期エンターテインメント・ベスト1に輝いた傑作家族小説。ラストの静かな感動が胸いっぱいに広がる。
魅力的な家族小説でした!天衣無縫でチャーミングな「るり姉」を、姪や姉や夫からの視点だけで語るという演出に妙がある。第一章を入院シーンで終わらせてラストを匂わせながら、そのあとの章を過去話にすることで、最終章まで引っぱるという構成も上手い。ただ入院というセンシティブなテーマにオレの心が耐えられなくって、オレはラストがハッピーエンドかどうかを先に読んで確かめて、仕掛けを台無しにしたけど。仕方ない。家族の何気ない幸せな日常を切り取るのが本当に上手い、いい小説でした。
★★★☆☆