くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

一肇『少女キネマ―或は暴想王と屋根裏姫の物語』

あらすじ
十倉和成。中堅おぼっちゃん大学の1年生にして、20歳。彼のボロ下宿の天袋から、絶滅危惧種の大和なでしこ“さち”がとつじょ這いおりてきたその日から、その停滞しきった生活は急転する!ノンストップ迷走系青春ミステリー!

森見登美彦フォロワー文体とウワサになっていたので今年中に手にとってみた!たしかに、モリミー主人公のようにヘンテコなこだわりを持つ韜晦の独白文体。しかし中盤の懊悩のシーンが、森見作品のようにどこかおかしいものではなく、本当にシリアスに鬱屈としててチョット中だるみ感もあった。しかしその効果もあり、ラストに向けての「暴想」状態は一気呵成な文章表現もあり疾走感バツグン!ある人物についての仕掛けも効果的に決まっていたし。映画論については守備範囲外なので分からないが、なにより「屋根裏姫」が超絶魅力的だったので全てよし!!!
★★★★☆