- 作者: 野尻抱介
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/02/01
- メディア: 文庫
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あらすじ
アンドロメダ方面を発信源とする謎の有意信号が発見された。分析の結果、JAXAの野嶋と弥生はそれが恒星間測位システムの信号であり、異星人の探査機が地球に向かっていることを確信する―静かなるファーストコンタクトがもたらした壮大なビジョンを描く表題作、一人の女子大生の思いつきが大気圏外への道を拓く「大風呂敷と蜘蛛の糸」ほか全5篇を収録。宇宙開発の現状と真正面から斬り結んだ、野尻宇宙SFの精髄。
発売日に買ってそのまま読了して以来の再読。大阪市立科学館のプラネタリウムで開催中の本書表題作を原作とする演目「宇宙人をさがす冴えたやり方―沈黙のフライバイ―」を見に行く予習としての再読。やっぱり表題作と「大風呂敷と蜘蛛の糸」はオールタイムベスト級の傑作SF短篇。特に「大風呂敷と蜘蛛の糸」は、一介の女子大学生の発想から壮大な宇宙プロジェクトへと発展していく過程に、胸が熱くなる。学生さん(特に高校生)に是非とも読んでもらいたい。表題作も宇宙探査のロマンと実際が調和している最高傑作。他の作品では、人類に対するアイロニーが効いているものもあり、野尻先生はこんなのも書くのかと再読で再発見。
- 沈黙のフライバイ
- 轍の先にあるもの
- 片道切符
- ゆりかごから墓場まで
- 大風呂敷と蜘蛛の糸
★★★★★