
ブラックホール惑星 (ハヤカワ文庫 JA 110 惑星リシーズ)
- 作者: 石原藤夫
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1979/01
- メディア: 文庫
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あらすじ
一度たべたら止められない、スペオペのヒーローになった幻覚に誘うマイクロ・ブラックホール、お茶漬けにすると効果抜群!中毒患者は数知れず、しかも、産出惑星には密売のシンジケートが暗躍している気配!宇宙警察より協力を依頼されたのは、ご存知、惑星調査員ヒノとシオダの名コンビ。お供にガラクタロボット引きつれて、勇躍目指すは、謎の《ブラックホール惑星》。ハードな内容をコミカルなタッチで描く評判の宇宙版・弥次喜多道中記。表題作ほか、「ホワイトホール惑星」「情報惑星」を収録した、待望の傑作短篇集!
石原藤夫博士の惑星シリーズ。今回は三話収録。
表題作は、徳間デュアル文庫で既読なんで割愛(でもデュアル版は一部省略している部分アリ)。マイクロ・ブラックホールのお茶漬けを食べるお話。
「ホワイトホール惑星」は、この本には収録されていない「空洞惑星」が既読であること前提の話。空洞惑星に出てきた、重力遮断怪獣グラヴィゴンが再登場。グラヴィゴンによる重力遮断状態でブラックホールの潮汐力を中和した上で、ブラックホール突入&ホワイトホール放出を繰り返す放浪惑星を助けるお話。無限ループする惑星は、想像力を喚起して素晴らしい。
「情報惑星」は、ワープ航法のミスで異次元空間に迷い込み、情報のみを大量に放出する惑星を発見するお話。エネルギーと情報とエントロピーとを絡めた情報理論は博士の面目躍如か(こういう系の理論は自分的にイマイチ理解が追いつかないのだがw)。あとオレもモグラ族になりたいw。
お話とお話をつなぐブリッジの「コーヒー・ブレーク」も軽快な会話劇が中心で、軽く読めて宇宙のハードSF設定が楽しめる稀有なシリーズで、最高に楽しい。
- コーヒー・ブレーク/午前十時
- ブラックホール惑星
- コーヒー・ブレーク/午後一時
- ホワイトホール惑星
- コーヒー・ブレーク/午後三時
- 情報惑星
- 調査業績一覧表