くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

眉村卓『消滅の光輪(3)』

あらすじ
1325星系の惑星ラクザーンの司政官マセは、太陽の新星化による全住民退避計画を推し進めていた。すでに390万人の住民が移住先の惑星ノジランに旅立っていった。だが、通貨ラックスは日ごとに下落し、ロボット官僚や司政施設は頻繁に暴徒に襲われるようになっている。そして、ついに首都ツラツリットに大規模な暴動が起きた。治安部隊はすでに辺境地の暴徒鎮圧に赴き、いない。堅固な司政庁の壁の多数の反乱者によってつぎつぎと打ち破られていく。しかも、反乱者たちは連邦軍の装備を身につけていた……泉鏡花賞受賞に輝くSF巨篇ここに完結。

連邦経営機構から任命された植民惑星を統べる司政官・マセが、太陽の新星化による惑星ラクザーン消滅の危機からどう住民を助けるのか…。ということで、最終第三巻。とりあえずオールタイムベスト級の大傑作!!圧し掛かる問題の数々の極致である反乱勢力の蜂起、息を呑む展開の連続に大興奮。そして連邦によって仕掛けられていた大いなる企み。この仕掛けが、住民の統治と連邦の強権との間で板挟みの司政官の苦悩を象徴しており、作者の標榜した「インサイダー文学」として組織の中の人間を描くことに見事に結実している。新人司政官の苦闘を描くビルドゥングスロマンとしても大傑作!!
★★★★★