くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

筒井康隆『アルファルファ作戦』

老人問題への温かい心情を示した表題作をはじめ、著者の諷刺魂が見事に発揮されたSF集―おとなの恐怖と笑いの全九篇。「慶安大変記」「人口九千九百億」「色眼鏡の狂詩曲」など。

はまぞうには、中公文庫版とハヤカワ銀背版しかデータがないので、銀背版で登録したが、読んだのはハヤカワ文庫JA版です。
社会に潜むさまざまな問題をカリカチュアさせてディスる姿勢が楽しい。風刺というと時事的になりがちだが、「慶安大変記(受験戦争)」「人口九千九百億(人口爆発)」「公共伏魔殿(某公共放送●HK)」「懲戒の部屋(痴漢冤罪)」「色眼鏡の狂詩曲(憲法九条)」など現代でも形を変えて問題になっている話題ばかりで、先鞭のつけ方が巧妙で感心する。一方で「近所迷惑」「旅」などの不条理SFも上手い。SFの理論と奇妙な不条理世界が見事に融合されている。

  • アルファルファ作戦
  • 近所迷惑
  • 慶安大変記
  • 人口九千九百億
  • 公共伏魔殿
  • 一万二千粒の錠剤
  • 懲戒の部屋
  • 色眼鏡の狂詩曲(ラプソディ)

★★★★☆