くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

ジョン・ディクスン・カー『火刑法廷』

火刑法廷 (ハヤカワ・ミステリ文庫 5-1)

火刑法廷 (ハヤカワ・ミステリ文庫 5-1)

あらすじ
編集者のエドワードは、社のドル箱作家の書き下ろし原稿を見て愕然とした。添付されている十七世紀の毒殺犯の写真は、まごうかたなく妻マリーのものだった!しかもその夜、隣人の妻にかかる毒殺容疑の噂の真相を追い、墓を暴きに出かけた彼は、妻の予言どおり、棺から死体が消失しているのを発見した……婦人毒殺魔が流行のように輩出した十七世紀と現代が妖しく交錯し、カー独特の世界を創出した第一級の怪奇ミステリ。

初カー。旧訳版で読了。100年前の毒殺魔と自分の妻が思わせぶりに重なる恐怖演出は、さすが怪奇ミステリの代表作。ミステリとホラーの配分が絶妙!二つの密室トリックも、大時代的ではあるが、見事に完成されている。アリバイトリックは、お粗末だったがそこはご愛嬌w。しかしこのエピローグのリドルストーリイ的なホラーの締め方はなんなん?これがあるからこそ印象的な幕切れになってるんだけど、怖いじゃん!!
★★★★☆