くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

イアン・ワトスン『川の書』

川の書 (創元SF文庫―黒き流れ)

川の書 (創元SF文庫―黒き流れ)

あらすじ
一本の巨大な《川》。それは遥か南の断崖に源を発し、世界を東西に分断して北の海へと注ぐ。《川》に出られるのは女たちだけ。男は二度《川》へ出ると死んでしまう。そして《川》の中央部には“黒き流れ”と呼ばれる謎の存在が横たわり、対岸に渡ろうとする者を阻んでいた。そのため誰も対岸の世界のことを知らない。東側の町で育った少女・ヤリーンは、17歳になって憧れの川ギルドに加入し、《川》へと漕ぎ出すが……。西岸には誰が住んでいるのか?“黒き流れ”とはいったい何なのか?そしてそもそも、この世界はいったい「どこ」なのか……?現代SFの鬼才が贈る、入魂の三部作の開幕!!

《黒き流れ》三部作の一作目。三作読むと奇想でとんでもないところまで投げ飛ばされるとの噂をうっすら聞いたので、手に取ってみた。第一作は、異世界冒険ファンタジイ風味。異世界の作り込みが楽しい。そしてチョコチョコ出て来る謎用語がSF設定を匂わすようで、わくわくが止まらない。本格的に渦に飲み込まれる続巻が楽しみだ。またジェンダーSFとしても、「女が舟で男が港」と現代と反転した構図で興味深い。すぐさま第二部『星の書』に行きます!!
★★★☆☆