くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

さよなら2011年回顧・小説篇

読んだ本の数:57冊
読んだページ数:18305頁

一位は、光瀬龍!!70年代の作品が21世紀も10年を過ぎた今ランクインとはおかしな話だけど(笑。歴史改変SFとして、戊辰戦争幕府軍が勝利するも日清戦争で敗戦し占領下となる日本の姿が、抜群に素晴らしい。もはや歴史小説。そして時間局員(タイムパトロール)の、笙子おねえさんとかもめちゃんの大活躍(そしてそのキュートさ)。そしてオチ。衝撃的。
二位は、《ファージング》。こちらも歴史改変もの。ファージングは、去年の作品というイメージだけど、ランキング本の評価を見て今年読んだので、今年ランクイン。ナチスと講和したイギリスがファシズムに傾いてゆくという世界を、女性の目線から描くことによって、エンタテイメント作品に仕上がっている。素晴らしい。
三位は、よねぽ。フェイバリット作家なので有無を言わせず毎年ランクインさせてきたが、今作は推協賞も獲得し、ミステリランキング本でも2冊で一位を獲るなど、文句なし。名実ともに人気作家になっちゃったな。ただ今年は雑誌に短篇ばかり発表していたので、本はこれ一冊のみというのが悲しい。早く《小市民》の『冬期』と《ベルーフ》を本にしてください、お願いします。あと来年は古典部アニメ化も楽しみだ。
四位は、Jリーグ日常の謎ミステリ。日常の謎がどんな舞台でも許容される豊穣な地と感心した。だがしかし、自分はキャラ小説としてしか読まなかった。撫子さんキュート!!
五位は、《ビブリア》。MW文庫でまさかの大ヒットw。発売前から読書好きには受けると思ったけど、ここまで流行するとはシンジラレナイ。
六位は、イーガン。フェイバリット作家は、無条件ランクイン。ルミナスの続編のかっこよさと表題作の難解さが光る。
七位は、SFアンソロジー。期待のイーガンは、それ程でもなかったが、佳作ぞろいのアンソロジー
八位は、講談社BOXのミステリ。特殊な舞台設定のミステリで、読者を裏切り続ける展開は楽しい。
九位は、オーケンのエッセイ。目の付け所が人と違うので面白い。そして、失恋対処法が名文!
十位は、新人のミステリ。海外の特殊な場所を舞台に選んでおり、ミステリ的技巧も素晴らしい。新人とは思えない作者が一番の謎だ。
次点高慢と偏見は、岩波文庫の訳文がクソすぎ。だがそれを補って有り余るほど面白い。200年前のラブコメが、今とほとんど違わないってのが新鮮な驚きだ。
次点静子の日常は、読メで教えてもらった作品。おばあさんの凛とした姿が清清しい。
それ以外の話題としては、森見登美彦が病気で一冊(『四畳半王国見聞録』)しか本を出さなかった事、ほっと文庫が話題に(有川浩『ゆず、香る』が特に)、ハルヒまさかの限定版(『涼宮ハルヒの驚愕』)で復活、あたりか。