くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

井上尚登『幸せの萌黄色フラッグ』

あらすじ
J2に昇格して三年目、今年こそはJ1へと意気込んでみたものの、ビッグカイト相模原は現在リーグ最下位。チームの若きエース元気くんは、絶不調で今季はいまだノーゴール。とある女性を気にしてるらしいが、まさか道ならぬ恋に悩んでる!?プロサッカークラブのホペイロ(用具係)を務める坂上栄作のドタバタを、愛嬌たっぷりに描いた、ほのぼの連作ミステリ、第二シーズン開幕。

サッカー日常の謎ミステリの第二弾。といっても個人的にはもうミステリ要素なんてどうでいい。前作から三年たって、チームはJ2に昇格しJ1への道もあとわずかというところなのに、ホペイロ君のこの牧歌的な雰囲気。これが心地いい。そして撫子さん。まあ前作からフラグが見え隠れしてたけど、これはいいキャラ小説でもあるわ。大人な女性の撫子さんの時折見せるデレが滅茶苦茶キュート。サッカー小説としては、クラブの経営とJ1昇格という二つの山場が一気にまとまるラストが、強引だけれども爽快。サッカー愛あふれる、ほのぼの小説。J1篇も買いに行かねば!!
★★★★☆