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初秋のSF乱読まつり開催中◆六冊目。今回の「SFまつり」のメインイベントとして、大阪人でありSF好きとしては表題作は1度は読んでおきたいと思い立ち、図書館でお取り寄せ。梅田の地下街の全てを制御するコンピュータが暴走し、梅田地下は完全に外部と遮断され、広大な地下街は迷宮ダンジョン化。閉じ込められた者たちの苛烈な生存競争の中、生まれたものとは……というストーリイ。予想に反して、かなりダークかつハードSFだった。もう俺、梅田には絶対に近づかない、地下街には絶対に入らない。特に曽根崎警察署東側の地下名店街には絶対に行かない。表題作以外も素晴らしかった。特に、
ニュータイプの発生を科学的整合性を伴って描写した「
アンドロメダ占星術」
*1、時間遡行に見事なハードSF解釈を与えた時間SF「熱の檻」、ダークな印象の短篇が多い中でユーモラスなパロディとラストが印象的な方程式ものSF「
連立方程式」、などが素晴らしかった。 あと、ハードSF好きなくせに科学造詣に不安のある俺としては、
石原藤夫博士による膨大な巻末解説も大いに役立たせてもらった。
★★★★☆