大森望責任編集『NOVA2』

NOVA 2---書き下ろし日本ＳＦコレクション (河出文庫)

大森望氏が読書メーターや個人ブログの感想をチェックされてるとあとがきに書いてあるので緊張。ま、こんなチラシの裏のような場末ブログには来ないだろう。とりあえず、法月綸太郎、恩田陸、神林長平の3作品が素晴らしかった。法月綸太郎は、なんか仕掛けがあると分かったけど、最後にやっぱり頁を見返して吃驚させてもらった。恩田陸は、淡々としていてほのぼのとしている語り口なんだけど、その裏に戒厳令下の東京の管理社会が見え隠れする恐ろしさが、絶妙の塩梅で素晴らしい。是非とも長篇化してほしいが、日記の横書きで長篇を読みきるのも面倒そうだ。神林長平は、スペオペの導入部から量子論への流れが素晴らしい。なのにゴキブリ人間の気持ち悪さで全てが持っていかれる(笑。宮部みゆきも凄かったがこれはSFなのか甚だ疑問??倉田タカシは読む気力が湧いてこなかった(笑。あとは、田辺青蛙が円城塔と結婚していたのと、西崎憲が藍ぽんの曲のアレンジャーだというのに大いに吃驚した。

• 神林長平『かくも無数の悲鳴』
• 小路幸也『レンズマンの子供』
• 法月綸太郎『バベルの牢獄』
• 倉田タカシ『夕暮にゆうくりなき声満ちて風』
• 恩田陸『東京の日記』
• 田辺青蛙『てのひら宇宙譚』
• 曽根圭介『衝突』
• 東浩紀『クリュセの魚』
• 新城カズマ『マトリカレント』
• 津原泰水『五色の舟』
• 宮部みゆき『聖痕』
• 西崎憲『行列』

★★★★★