くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

木本雅彦『星の舞台からみてる』

星の舞台からみてる (ハヤカワ文庫 JA キ 7-1) (ハヤカワ文庫JA)

星の舞台からみてる (ハヤカワ文庫 JA キ 7-1) (ハヤカワ文庫JA)

インターネッツの海を散策している時に、「SF」という文字が目に飛び込んできたら思わずモニターに顔を近づけて「どんなニュースが??」と呟くんだけど、大概「SE」の見間違い。そんな「SE」と「SF」。それがここに融合し「システムエンジニアSF」となった。さてこの物語、とあるWEBサービスの企業から始まるんだけど、それが実に考えさせる。この企業は顧客が死亡した際に、WEB上の知人に死亡告知をしたり、サービスの解約をしたり、自分のパソコンの中に保存されているあんなデータやこんなデータを消去してくれたりするという、死後処理代行の企業。これを読んで考え込んだ。もし自分が突然の事故で死んだらどうなるんだろうと。ネット上で知り合った優しい友人知人たちに知らせる事も出来ずに、更新の止まったこのブログだけが残るわけでしょ。なんか悲しいなと。…と長々書いたけど、まだ冒頭5ページ分くらいしか語ってない。本編で特筆すべき事は、まず少し未来のweb環境のガジェットの書き込みが素晴らしい。コンピューターサイエンスに詳しくないけど、耽溺できた。「宇宙に対する憧憬」や「情報社会における人の信頼」といったテーマからラストへの流れも素晴らしかった。
★★★★★